2014-07-04 Fri

2011年制作 中/香港
監督:アン・ホイ
≪キャッチコピー≫
『笑い合える人がいれば、ささやかでも人生はきっとバラ色。』
≪ストーリー≫
広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。
今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。
そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れ……。
≪感想≫
穏やかな良作。
家政婦の桃さんは梁家四代に渡りその家族の家政婦を務めている。
その桃さんが脳卒中で倒れてしまう。
お世話になってきたロジャーは、身寄りのない桃さんの介護をひきうける事になる。
本作、いかにも感動させます的な演出もなくしんしんと流れる二人の視点。
桃さん視点の日常。
ロジャー視点の日常。
ずーーーーっと一緒に過ごしてきた二人の距離、繋がり。
家族とは違う関係。
ここに映るふたりの関係の中には「感謝」が色濃く描かれているような気がしました。
例えばこれが家族であれば少し違った形になったのかもしれない。
桃さんはロジャーに介護されることに「感謝」をする。
ロジャーは桃さんを介護することで今まで働いてくれたことに「感謝」をする。
この二人の形がとても素敵だったんですよね。
この「感謝」する、されるという形がごく自然にできていて。
ロジャーにとって桃さんは、家族よりも繋がりの深い存在だったんでしょうね。
とてもジンときました。
「介護」について。
冒頭に映る老人ホームの風景が結構物悲しくって。
現実を突きつけられる感じがね。
ホームに入って色々な人に助けられるとは言え、やっぱり今までの環境とは違うし、
周りの入居者を見ては自分をみじめに感じたりもする。
ただそこにはやっぱり同じ環境を生きる友達もできてくるわけで・・・。
本作は「老後」の現実をしっかりと映し出す。
余談ですが。
もう亡くなっちゃいましたが、父方の祖母と母方の祖母の介護をしていた時の事を思い出しました。
そしてこれから訪れる、両親の老後、自分の老後について色々と思う所もあったり。
自分がどの立ち位置にいるかで見え方が変わってくる良作でした。
≪点数≫
8点
(14.05.31鑑賞)

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