2014-03-09 Sun

2012年制作 邦
監督:山下 敦弘
≪キャッチコピー≫
『友ナシ、金ナシ、女ナシ。この愛すべき、ろくでナシ』
≪ストーリー≫
1980年代後半。
19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、
家賃も払えない生活を送っていた。
他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の
日下部正二(高良健吾)と親しくなる。
そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、
日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。
≪感想≫
原作は芥川賞受賞作の同名小説。
作家西村賢太の半自伝的作品。
小説はもちろん読みました。
主人公貫多のクズでろくでなしっぷりに腹が立ちつつも人間味を感じ。
芥川賞作品は読みにくいという印象があるのですがすらすらと読むことができました。
さて映画化された本作について。
んんーーーー、原作とちょっと違う印象を受けたかなぁ・・・。
ストーリーも結構変わっていたような気が。
原作はもっともーーーっと重めな印象を受けましたが、本作はもっとPOPな印象。
R15作品とは言え、ある程度マイルドにして受けての幅を広げていて。
良い意味でも悪い意味でも観やすくなっていた作品でした。
良い部分。
俳優さん達の名演技。
主演した森山未來君はやっぱり凄い俳優さんだと思う。
ただの二枚目ではなく演技派俳優さん。
彼が演じる寛太のクズっぷりを見事に演じ、ただ彼の背後に見え隠れする人間性に
嫌いになれない感が漂っていて。
これが他の役者さんが演じていたら
「何だ!このやな奴は!!」
で終わっていたかも。
あとは職場の先輩を演じたマキタスポーツさん。
彼も、ちょっとその手の職場にいそうな口うるさい偉ぶった感じを上手く出していて
良い感じでした。
テレビの中で歌っていた曲をフルで聴いてみたいなぁー・・・。
も一人職場の上司の高橋努さんもチョイ役でしたが良かったなぁ。
彼の出演している作品は「クローズZERO」や「その夜の侍」等、結構観ていて良い役者さんだなぁ
なんて思っていたもので。
もちろん、主役級の残りの二人、高良君と前田敦子さんもいい味出していました。
これらのメンバーの名演と脚本も相まって、良くも悪くも原作と乖離したかなと。
悪い部分。
やっぱり原作と違った部分かな。
先に書いたように原作はもっと泥くさい印象を受けたんです。
もちろん本作も十分泥臭いんですが・・・(苦笑)。
もっともーーーーーっと。
本作は少し希望とか救いみたいなものが見え隠れしたんですが、
原作はそれすらも感じる事が出来なくって。
ただ原作の背後にある西村賢太と言う作家先生が見えたから
ほどよい思いが生まれたんですよね。
まぁ別物として作っているのであればしょうがないのですが、
小説が出版されてまだ数年しかたっていないので、もうちょっと時間をおいて、
撮ってもらえればもう少し違った印象を受けたかも。
ちょっと原作の残り香が自分の中に残っていたもので。
何はともあれ、出てくる役者の好演や内容自体も嫌いにはなれないので、おススメです。
ただ、観るなら原作を読む前に!!
≪点数≫
6点
(14.01.18鑑賞)
こちら原作。
映画版よりも、もっとろくでなしな野郎でした。

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