2013-04-24 Wed

2011年制作 邦
監督:入江 悠
≪キャッチコピー≫
『伝説のライブまであと1週間。
遠くで、近くで、すぐ側で、
それぞれの物語が走り出す──!』
≪ストーリー≫
プロ棋士になる夢を抱く女子高生の美知子は、
彼氏に「神聖かまってちゃん」のライブに誘われるが、
その日はアマ王座決定戦の決勝戦だった。
一方、昼夜を問わず働くシングルマザーのかおりは、
神聖かまってちゃんのネット動画に夢中な息子が
保育園で問題を起こして厳重注意を受けてしまう。
≪感想≫
僕は神聖かまってちゃんなるバンドを良く知らなくって。
一応、前情報としてyoutubeやwikipediaで調べたのですが、
何ともぶっ飛んだバンドらしくって。
少しだけそんな情報も踏まえつつ鑑賞。
まず、このタイトルにもなっている神聖かまってちゃんについて。
基本的には、かまってちゃんの音楽は歌詞にメッセージ性がある訳でもないように思えたんです。
ただ、その「叫び」と言うか「音」が見る人、聞く人の、心のどっかに引っかかる。
そして邂逅。
みたいな。
やっぱ音楽の力って凄い。
映画のストーリーとしては人生の壁にぶちあたる3人がそれぞれ今を一生懸命過ごすというお話。
そしてその3人と、3人に係わる人たちがかまってちゃんの音楽に触れて
何かがほんの少しだけ変わっていく。
今作の良かった点は、この神聖かまってちゃんの存在、演出を作り物にしなかったという所では
ないでしょうか。
例えば、ライブももちろん映画のためでなく本当に行ったライブを使っているし、
恐らく神聖かまってちゃんの核ともいえるサイケデリックな「の子」さんには一切、
演出を加えていないんでしょう。
そこら辺が、物語をよりリアルに近付けているように見えたし、グッとくる事ができたかなと。
そして僕的には物語の締め方が大好きだったんです。
明日からの生活が劇的に変わる訳でもない。
ただほんの少し前に進む。
ほんの少しより良い方向へ。
それぞれが少しだけタフになったその姿を見て、グッときたんですよね。
全ての登場人物が愛おしくなる「人間賛歌」。
いやはやとても良い作品でした。
≪点数≫
9点
(13.02.21鑑賞)

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