2012-10-08 Mon

2007年制作 ルーマニア
監督:クリスティアン・ムンジウ
≪キャッチコピー≫
『これは二人だけの秘密──。』
≪ストーリー≫
チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。
大学生のオティリアは寮でルームメイトのガビツァの妊娠中絶のために奔走する。
国では中絶は違法、彼女達はヤミ医者を雇い、何とか中絶をすることにこぎつけるが・・・。
≪感想≫
まずこの作品の肝は時代背景。
チャウシェスク政権について少し調べてみました。
独裁者である彼が施した共産主義の政策のせいで国民の生活は破綻し、国民に耐乏生活を強いていた。
彼は国民を増やし労働力を確保したいがため、政策の中で中絶と避妊を禁止する。
そのおかげで子供は増えたが良いが、いかんせん国が貧乏なため育てることが出来ず
自ずとストリートチルドレンが増えたようで。
今作は、そんな時代に生きる人たちのドラマが描かれています。
大学生の二人が取る行動、友人のためにあそこまでやるオリティアとあまりにも軽薄な
ガビツァの行動にはモヤモヤしっぱなしでした。
ただし、この時代の社会的背景を考えると「そういう時代だったんだ」と嫌だけど納得させられる。
あのラストシーンからの数十秒の静寂。
あそこの数十秒はこれまで映画で描かれた問題を頭の中で一気にフラッシュバックさせるための余韻か。
むむむ・・・印象深い終わり方です。
ストーリーとしては陰鬱としたドロッとした作品。
正直、自分の中では倫理的に許せなくてあまり後味は良くありませんでした。
が、作品の見せ方や撮り方はすごい上手いなと感じました。
あとは何より、その時代を知ることができたという点では観る事ができて良かったです。
≪点数≫
9点
(11.02.06鑑賞)

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