2023-02-22 Wed

2021年制作 邦
監督:松居 大悟
≪キャッチコピー≫
『“ある1日”で遡る、ふたりの6年間――』
≪ストーリー≫
2021年7月26日。34歳の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、サボテンの水やりなどをしてからステージ照明の仕事へ向かい、ダンサーにライトを当てていた。一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、客を乗せて夜の東京を走っている。トイレに行きたいという客を降ろした葉は、どこからともなく聞こえる足音に導かれて歩き出し、照生が踊るステージにたどり着く。さかのぼること1年前の7月26日。照生は自宅でリモート会議をし、葉はマスクを着けて飛沫シートを付けたタクシーを運転していた。
≪感想≫
ダンサー志望の青年、輝雄。
タクシー運転手の葉。
二人の出会いと別れまでを描いた本作。
まず、本作は物語の描き方が変わっていて。
輝雄の誕生日を遡りながら二人の関係を描き出す。
めちゃくちゃ派手な日常ではないんだけどとてもドラマチックでむず痒い二人のやり取り。
痛くもあるし微笑ましくもあるし。
演出がしゃれていましたね。
同じ日のカレンダーが映っている。
シーンが変わって同じ日程なのに曜日が違う。
・・・???
なるほど、「西暦」がちがうのかぁ・・・。
ってな感じ。
脇を固めるキャラクター達。
実は彼ら彼女らも主役で、それぞれの物語があるんですよね。
例えば、路上ミュージシャンの彼(尾崎世界観さん)。
例えば、いつまでも妻を待ち続けているあの人。
例えば、輝雄くんが通うBarのマスター。
色々な人の物語がある。
輝雄と葉の恋物語もそうだけど、二人がちょっと思い出す世界の中にいる
人たちもとても愛おしい存在でしたよ。
音楽も良かったな。
演者として出演されていた尾崎世界観さんのバンド・クリープハイプの
主題歌「ナイトオンザプラネット」。
それこそ、本作に対する物語を補足するような音楽。
とても素晴らしかったです。
そんなこんなで。
なんとも不思議な映画。
タイトル通りちょっと思い出しただけ。
きっと誰にしもあるちょっと思い出しただけにしておくような大切な思い出。
そのスイッチはどこにあるのか分かんないけど、いつか自分にも訪れる
誰かとのちょっと思い出すあの頃。
それはどんな思い出なのか。
それは誰との思い出なのか。
それはきっと心がくすぐられるようなほろ苦くも大切な思い出なんだろう。
とても良作でした。
そうそう。
本作のキーとなるジム・ジャームッシュ監督の映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」。
とても好きです。
お話については全く覚えていないので見返してみようかな。
それこそ、ちょっと思い出すために・・・。
≪点数≫
7点
(22.12.26鑑賞)

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