2022-07-21 Thu

2019年制作 スペイン
監督:ガルデル・ガステル=ウルティア
≪キャッチコピー≫
『その“穴”は世界を変える』
≪ストーリー≫
中央に四角い穴の空いた謎の部屋で目を覚ましたゴレン。そこは塔の「48階層」であり、上下には無数の階層が続いていた。ゴレンは、同じ階層に暮らす老人トリマカシからここでのルールを聞かされる。それは、階層は1か月ごとに入れ変わること、食事が取れるのはプラットフォームと呼ばれる台座で上の階層から順番に降りてくる残飯が自分の階層にある間だけというものだった。1か月後、ゴレンは「171」階層のベッドに縛り付けられた状態で目を覚ます。
≪感想≫
男が目覚めると四角形の部屋に、別の男と二人。
閑散とした部屋の真ん中にはこれまた四角の空洞。
どうやら、ここはタワーの1フロアで上も下も果て無く続いている感じ。
その時上から、食い散らかされた食事の数々がおりてきて・・・。
なんとも変な設定。
ちょっとだけ密室に閉じこまれた設定の「CUBE」シリーズを思い出したり。
社会風刺がしっかりと描かれていて、本作の設定は
まさに世界の縮図じゃんと思ったり。
そこで描かれる登場人物の行動はまさに人間の卑しさとか
いやらしさとか凶暴さとか描かれているじゃんと思ったり。
富裕層が食い散らかしたのを下層の人たちがまた食っていく。
さらに下、さらに下、どんどんなくなっていく食糧。
上の者たちはそんなことは気付きやしない。
というか考えたりもしない。
なんてわがままな人間ども。
そして空腹に駆られる下層の人たちはお互いを傷つけて精神的に狂っていく。
なんて恐ろしい人間ども。
設定がまたいやらしくってね。
同じ部屋に2名の人間を置くという部分。
1ヶ月ごとにランダムに階層が変わっていくという部分。
人間のやましい所をあぶりだしていく感じがまた絶妙で。
登場人物について。
最初に主人公のゴレンと同室にいたあいつ。
あのじじいがまた良いキャラクターで。
ルックも相まって、めちゃくちゃ恐ろしかったです。
超合理的というか。
ゴレンと仲良くなりながらも、現状を踏まえて一番生き残れる方法が高い選択を
あっさり行っていく。
ルックもこれがまた不気味で気持ち悪いんだよなぁ。
そんなこんなで。
最後は希望に満ちた終わり方・・・のような気がするけど、正直
よく分かんない部分もたくさんあったり。
恐らく、抽象的で設定一発の作品なので、ストーリーなんて
どうでもいいのでしょうが。
とにかく、現代社会へのアンチテーゼ的な作品。
自分ならどうするのかなぁと重々しく考えさせられた作品でした。
≪点数≫
6点
(22.06.23鑑賞)

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