2022-05-20 Fri

2021年制作 米/英/ニュージーランド/カナダ/オーストラリア
監督:ジェイムズ・サミュエル
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
1920年代のアメリカ・モンタナ州。周囲の人々に畏怖されている大牧場主のフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)は、夫を亡くしたローズ(キルステン・ダンスト)とその息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)と出会う。ローズに心を奪われるフィルだったが、弟のジョージ(ジェシー・プレモンス)が彼女と心を通わせるようになって結婚してしまう。二人の結婚に納得できないフィルは弟夫婦に対して残忍な仕打ちを執拗(しつよう)に続けるが、ある事件を機に彼の胸中に変化が訪れる。
≪感想≫
Netflixオリジナル映画。
いやぁ、面白かった。
とても素晴らしい作品。
とんでもなく深みのある作品。
観る人にしっかりと考えさせられる余白がすっごいあって、
観ながら、すでにもう一回観たくなる。
どうなっていくのか分からない展開。
例えば序盤はフィルと弟ジョージの兄弟間のお話かなぁと思っていたら。
中盤からはジョージの妻ローズとフィルのお話に。
そして最後はフィルとローズの息子であるピーターとのお話に。
特にフィルのある秘密が浮き彫りになってからの展開は目が離せなかったです。
重厚な雰囲気と世界観。
以前観た「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」なんかを思い出したり。
あの息苦しい感じとかが似ていたような。
「それでも夜は明ける」あたりも思い出したな。
ベネディクト・カンバーバッチは「それでも夜は明ける」に出ていたか。
着地の切れ味も良かったな。
最後の最後までどんな締め方をするのだろう、どの方向に
持っていくのかなと思っていたら、あの幕切れ。
そして、ピーターのあの表情。
「やばい、もう一回最初っから!!」
なんて思わせる。
思い返すと、あのシーンやあのシーンとも繋がってくるエンディング。
例えば、フィルがピーターに
「あの山々は何に見える?」
的な問いにピーターがまさかの回答をするシーンとか今考えると秀逸でね。
物語の進め方がとても巧み。
色んな要素をちりばめながら最後に集約させる。
いやはや。
物語の中には「男らしさ」や「女らしさ」とは何ぞやみたいな問題適宜も
含まれていたし、家族の繋がりのような不変のテーマも含まれていた
ように感じた。
ここら辺もとても深い内容となっていてとても見応えのある作品に
仕上がっていました。
キャストも見事。
フィルを演じたベネディクト・カンバーバッチがまた良かったんですよね。
あの野蛮なんだけどカリスマ性がある佇まい。
秘密の場所でのシーンとか美しさすら感じてしまいましたよ。
他にも僕的にはフィルの弟であるジョージも良かった。
フィルに抑圧されながらも、何とか抵抗する感じとか◎。
演じたのはジェシー・プレモンスというお方。
どこかで観たことあるんだよなぁ・・・。
他にもフィルのカウボーイ部下たちの佇まいも良かったです。
あとね。
本作は映画館で観たかったな。
壮大な景色と、内容的にもこのどでかい自然の中で生きている
人間のお話だったので、大きな映像で観ると
また深みが増したのではなかろうか。
もったいないない。
とにもかくにも。
いやはや、とても素晴らしい作品。
本作はアカデミー賞最多12部門ノミネートされていて。
作品賞も本命と言われているみたい。
納得の傑作。
ただ以外に重めで万人受けしなさそうなテイストなので
どうでしょう・・・。
しっかし、Netflixは本当に良作が多い。
先日観た「ドント・ルック・アップ」もそうでしたが、アカデミー賞に
絡んでくるんだもんなぁ。
≪点数≫
9点
(22.02.11鑑賞)

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