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No.1997 『ハウス・オブ・グッチ』
No1997 『ハウス・オブ・グッチ』
2021年制作 米
監督:リドリー・スコット

≪キャッチコピー≫
『それは、人を狂わすほどの名声』

≪ストーリー≫
貧しい家庭出身の野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、とあるパーティーで世界的ファッションブランド「グッチ」創業者の孫であるマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライヴァー)と出会う。互いに惹(ひ)かれ合うようになった二人は、周囲の反対を押し切って結婚。やがて、セレブとしての暮らしを満喫する彼女は一族間の確執をあおり、グッチ家での自分の地位を高めブランドを支配しようとする。そんなパトリツィアに嫌気が差したマウリツィオが離婚を決意したことで、危機感を抱いた彼女はある計画を立てる。

≪感想≫
昨年観た傑作「最後の決闘裁判」のリドリー・スコット監督最新作。
御年84歳の監督は他にも「ゲティ家の身代金」「オデッセイ」「悪の法則」等々。
巨匠と言っても過言ではない、まだまだ今後の作品が
楽しみなお方。

本作では誰もが知っているブランド、グッチの一族の
崩壊が描かれていました。

これって実話を基に作られたお話らしくって。
いやはや、凄いっす。

これまた以前観た「フォックスキャッチャー」を思い出したり。

さてさて。

各キャラクターが凄かった。
まずグッチ家に嫁ぐパトリツィアを演じたレディー・ガガ力が半端ない。
自分の野望のためにモンスターと化す。
なんでしょう、野心というか、自分の生きざまのためにあらゆるものを
なぎ倒して突き進んでいくこの感じ。
ちょっと狂った雰囲気を身に纏う、終盤の変貌っぷりがまた最高で。
よくよく考えると彼女も男尊女卑の社会の中でもがき苦しむ
存在だったのかなとも思ったり。
最初っから最後まで彼女のルックも含めて一挙手一投足に
不快になりながらも目が離せなかったです。
間違いなく本作のMVPでしょう。

なんでしょう、本作ってまともな人間がほぼ出てこないんですよね。
パトリツィアの夫であるマウリツィオ・グッチ。
彼は唯一の常識人っぽかったんだけど、段々とパトリツィアとの
生活により彼もエゴが出てきてグッチ家としての欲望が
生まれだし最後にはああなってしまう。
そして、彼は彼でやはり愚鈍な男として生涯を終えることに。
加害者であり被害者であり、人間の欲深いところとか浅はかなところとか
むき出しのキャラクター。
文字にするとすっごい特異なキャラっぽいが、映画の中では
スマートでエリートな印象。
こいつはこいつで馬鹿なやつでしたねぇ・・・。

そして僕的に本作のコメディリリーフたる存在。
アル・パチーノ演じるアルド・グッチとジャレッド・レト演じる
その息子パオロ・グッチ。
特にパオロのバカっぷりには同情したくなるほど。
剛腕のアルドにとっては、それでもグッチ家の血が流れている愛するバカ息子。
この二人のやり取りは情けなくも苛立ちつつも、少し笑っちゃう感じ。

占い師のピーナとパトリツィアの関係性も興味深かった。
つまるところ、このピーナもパトリツィアを化け物にした
原因の一つでもあるんですよね。

クライマックスはグッチからグッチの血がなくなってしまうことになって。
結局、現在のグッチの栄光にはグッチ家の功績は残っていないんですよね。

本作のキャラクターや物語ってちょうど良い塩梅の実在感と
ありえそうなお話でした。
もちろん、誇張して描いているとはいえ、凄いリアリティがあって
面白くも恐ろしくも感じる作品で。
これも監督の手腕なのでしょう。
本当に素晴らしかったです。

なんとも興味深く面白くも恐ろしいお話。
そして長尺ながらもグッとのめりこませてくれた監督の剛腕。

そんなこんなで。
巨匠リドリー・スコットが描く重厚な作品。
めちゃくちゃ楽しませていただきました!!
さぁさぁ、これからグッチ家について勉強なり!!

≪点数≫
  9点
                                           (22.02.06鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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