2022-04-08 Fri

2021年制作 邦
監督:濱口 竜介
≪キャッチコピー≫
『驚きと戸惑いの映画体験が、いま始まる――』
≪ストーリー≫
ヘアメイクアーティストである親友のつぐみ(玄理)から好きな男がいると聞かされた、モデルの芽衣子(古川琴音)。だが、その男が元恋人の和明(中島歩)だと知る(第1話『魔法(よりもっと不確か)』)。芥川賞を受賞した大学教授・瀬川(渋川清彦)に落第させられた大学生・佐々木(甲斐翔真)は、復讐(ふくしゅう)を企てる(第2話『扉は開けたままで』)。高校時代の友人である夏子(占部房子)とあや(河井青葉)が、20年ぶりに仙台で再会。当時のことで盛り上がるが、徐々にすれ違っていく(第3話『もう一度』)。
≪感想≫
3編の短編作品集。
いやぁ・・・面白かった。
何でしょう、ひたすら続く会話劇。
ちょっとこう、舞台劇を観ているような感覚に。
飽きがこないお話と演出。
ひたすら続く会話劇と書きましたが、
それだけではなく、やはり映画ならではの演出や素晴らしい役者たちの
表情を見ることができて。
会話の中にもグッとくるというかギョッとするというかゾッとするというか。
バシッとハマるパンチラインの連続で。
それこそ、小説として、読み物としても素晴らしいのではと思わせてくれる作品。
短編3話からなる本作。
僕的には3話目が秀逸だったなぁ。
仙台に帰ってきた一人の女性が旧友とばったり出会う。
そこから繋がる奇跡のような連続に心が揺さぶられる。
中盤にとある展開が訪れる。
そこまで観てきたお話が180度ガラリと展開。
それでも観ているこっちのテンションは変わらず
そのまま地続きで続いていくこの感情。
そして最後の着地も素晴らしい。
何でしょう。
お話自体は起承転結あって、色々巻き起こっているのに、観ているこっちは
とても穏やかにラストを迎え入れていて。
その感じがとても幸せに感じちゃっているんですよね。
余韻がハンパないというか。
他2作品に関してもさらりと。
1話目。
過去の彼氏を惑わせる女の子が主人公。
演じたのは古川琴音さん。
昨年見た傑作「街の上で」にも出てたなぁ。
声がとても特徴的。
本作の不思議で攻撃的な女性像と見事にマッチしていて
とても魅力的でした。
すっごい嫌な感じなんだけど、どこか共感できるというか納得させられていくというか。
最後には少しだけ応援すらしたくなちゃうキャラクター。
彼氏役のあの人もとても声が印象的な俳優さんでしたね。
2話目。
とんでもなく苦かった・・・。
何よりオチがとても痛くって。
留年したあいつが一番悪いんだぜ!!
何となく彼だけがオイシイ着地しちゃった感じがして。
クッソ〜〜〜・・・。
もっと制裁を!!
そしてあの先生には幸せを!!
そんな感じで。
とても素晴らしい会話劇に加えて、魅力的な俳優陣。
これぞミニシアター映画。
これぞ海外に自慢できる邦画。
こういう作品に出会えるととても嬉しくなっちゃいますね。
実は本作が2022年一発目の劇場作品。
堪能いたしました!!
≪点数≫
8点
(22.01.03鑑賞)

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