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No.1977 『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
No1977 『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
2019年制作 コロンビア/アルゼンチン/オランダ/独/スウェーデン/ウルグアイ/スイス/デンマーク
監督:アレハンドロ・ランデス

≪キャッチコピー≫
『楽園なのか、戦場なのか――。』

≪ストーリー≫
ゲリラ組織のメンバーで、「モノス」というコードネームで呼ばれる8人の少年少女らは、世間から切り離された南米の山岳地帯で暮らしていた。彼らは訓練に励んだり、組織の指示で人質のアメリカ人女性を監視したりする一方で、10代の若者らしく恋をすることも、仲間の誕生日を祝うこともあった。そんなある日、組織から預かっていた大事な乳牛を仲間の一人が撃ち殺してしまう。

≪感想≫
これまた生々しい傑作を発見。

コロンビアの少年兵たちを描いた本作。
ドキュメンタリーっぽくもあるんだけど、絵画的で寓話的な
作りにもなっている。

最後まで見逃せない展開に終始ドキドキしながら鑑賞。
物語的な流れはないんだけど、観ている者を惹きつける。
多くを語っていないんだけど、しっかりと起承転結があって。
観ているこっちがしっかりと考える余地を与えてくれる。

モノス(猿)と呼ばれた子供たち。
そこには性別も関係なく兵士として訓練されている。
なんか見たことあるなぁと思ったら小山ゆう先生の人気漫画
「あずみ」じゃん!!
あれも、小さい頃から忍びとして育てられた子供のお話でしたね。
彼ら彼女にとってはこの環境は当たり前で、兵士としての自分に
なんの疑いもない。
ただ、やはり中身はただの子供。
欲望や思考はとても単純で人間の本質的な部分を映し出す。
例えば、彼らは何のために戦っているのなんて実はどうでもよくって。
それが生まれ持っての役割として当たり前のようにいるから、
そういう問題より、ただ目の前の問題に欲望の赴くままに
行動していく。
それはまさに動物的な、いや文字通り「猿」のような生態で
生き抜いている子供たち。

何ともリアルな人間像を観せてもらいました。

演出について。
先に書きましたが、どこか寓話的でもあってね。
画作りが特徴的で、中盤のポスターにもなっているモノスたちが
足音を立てないように隊列を組んで歩くシーンとか最高でしたよ。

そんなこんなで。
エンタメ的な作品ではありませんでしたが、通好みの一作。
結構ズシリとくる余韻たっぷりの傑作。
しばらくは彼ら彼女らの物語を思い出してはゾワっとすることだろう。
観てよかった。

しっかしこれってどこまでが本当なんだろう。
世界各国にいるであろう少年少女兵たちの現実はこんな感じなんでしょうか。
何とも考えさせられる作品でした。

≪点数≫
  8点
                                           (21.12.29鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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