2021-10-18 Mon

2019年制作 北マケドニア/仏/ベルギー/クロアチア/スロヴェニア
監督:テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ
≪キャッチコピー≫
『私だけの十字架を探して』
≪ストーリー≫
高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すずは周囲に心を閉ざし、一人で曲を作ることだけが心のよりどころとなっていた。ある日、彼女は全世界で50億人以上が集うインターネット空間の仮想世界「U」と出会い、ベルというアバターで参加する。幼いころに母を亡くして以来、すずは歌うことができなくなっていたが、Uでは自然に歌うことができた。Uで自作の歌を披露し注目を浴びるベルの前に、ある時竜の姿をした謎の存在が現れる。
≪感想≫
北マケドニア映画。
北マケドニア・・・よく分からないなぁ。
ただ、描いていることは世界的に取り扱っても良いような題材で。
冒頭、ぐうたら寝ているペトルーニャの元に、はよ起きろと
母からの督促。
無職のペトルーニャは過保護気味な母親にやれ仕事を探せだの
やれ面接では年のサバ読みをしなさいだとか過度な管理を虐げられている。
ペトルーニャを観ているとちょっと以前観た邦画「もらとりあむタマ子」のタマ子を思い出したり。
本作では色々とメッセージが詰め込まれていて。
親からの抑圧だったり。
女性の生きにくさだったり。
美醜の問題だったり。
伝統の継承についてだったり。
ペトルーニャが地元の伝統的な祭りみたいなもので、男衆だけが参加できる
十字架早取り勝負みたいなもので、女性のペトルーニャがゲット。
そこから色々と問題が出てくるのですが・・・。
むむむ・・・何でしょう。
一昔前に我が国日本でも相撲の土俵に女性が上がれない的な問題が
怒っていたような。
例えば、自分が主催者側であればそこまで思い入れがないから、そんな生きにくい
社会なんてバンバン変えてしまおうって思ったりもするんですが。
いざ、変えるとなるとやっぱりその伝統を重んじる人たちにとっては
とても重く難しいことなんだろうなぁとも思ったり。
ただ、そもそもこういった伝統なんてものは、良き風習、慣習として守られているものなのに
それが様々な人たちを傷つけたり抑圧しているって、なんか違うんじゃないのかなとも思う。
むむむ・・・。
あとさぁ・・・。
あのマスコミ女性もちょっ嫌だったかな。
なんか本質を見極めずに自分の行きたい方へ行きたい方へ持っていく感じ。
ちょっと、時折ネット等で登場する、圧の強いフェミニズムの方々を
思い出しました。
会話ができない感じとか、関わると大怪我しそうなあの感じ。
やっぱり苦手なタイプ。
何でしょう。
今作で出てくる人たちってなんか嫌な人間たちばっかりでしたね。
ペトルーニャを蔑む、面接官だったり。
十字架早取りに参加した他の男衆だったり。
司祭様も最初は良いやつなのかなぁと思ったら、やっぱり保守的な
嫌な奴だったし。
警察の人たちもダメダメ。
強いて言うなら、ペトルーニャの父親は良かった。
あと、一人の警察官。
あいつもなかなか良い奴だったな。
そうそう。
本作の何が良かったってやっぱり結末。
ペトルーニャのケリのつけ方が最高でね。
先に書いた生き辛さや苦しさ。
そんな様々な問題を一蹴するかのごとくあの着地。
ラストの着地が本当に素晴らしかった。
これまでの状況や観ているこっちに対しても痛快な回答を導き出してくれて。
それまでの伝統やら慣習やら関係ないない。
ましてや美醜やら男女云々やら関係ないない。
私は私で良いんです!!
ペトルーニャの最後の選択に覚悟とカッコよさが相まみえる。
とても印象に残る着地でした。
そんな感じで。
北マケドニアという未開の国。
もう少し調べてみようかな。
全世界に共通する問題を取り上げた、とても良い作品でした。
≪点数≫
7点
(21.08.04鑑賞)

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