2021-08-19 Thu

2019年制作 カナダ/仏
監督:グザヴィエ・ドラン
≪キャッチコピー≫
『その瞬間、恋に変わった。』
≪ストーリー≫
親友同士で30歳のマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は、友人が監督する短編映画でキスシーンを演じる。その口づけをきっかけに、二人は今まで封印してきた相手への思いに気付き始める。婚約者のいるマティアスは親友への思わぬ感情に戸惑い、マキシムは長年の友情が壊れることを恐れていた。
≪感想≫
監督はグザヴィエ・ドランというお方。
後々知ったのですが、本作のマキシムって監督のグザヴィエ・ドランが
演じていたんですね。
こんなに若い監督さんだったのか。
しかもすごい評価を受けている監督さん。
これからも楽しみな方のようです。
さてさて。
恋愛においてのもどかしさや歯がゆさが目一杯詰まった作品。
好きだからこそ。
好きという気持ちを押し殺す。
気づいているのに気づかないふり。
観ていてもやもやっとしながらも少しだけ魅了されていて。
繊細な映画という印象。
恋だの愛だの煩わしくも複雑な感情の揺れの中、
そこに同性愛というさらにセンシティブな要素が
根っこにあるからさらに複雑になっていく。
そうそう。
本作のマティアスたちの仲良しグループの馬鹿話とか
ウダウダガチャガチャしたあの感じとかが僕的にはとても大好きで。
「こいつらバカやってんなぁ」
って。
終盤のマティアスがパーティーの空気を悪くして、こりゃ修復不可能だぞってくらいの
空気になったんだけど、あの仲直りの仕方とか最高。
一線を超えたんだけど、しっかりとまた「バカやってんなぁ」に戻ってこれる
あの関係が最高で。
僕にも親友と呼べる奴らが何名かいるのですが、まさしく
こんな関係だったりもするんですよね。
恐らく何が起こっても切れることのない関係は
何物にも代えがたいものです。
終わり方も何とも。
二人のあの表情はそれまでの行動からどう受け取ればいいのか。
これはバッドエンドなのかハッピーエンドなのか。
観客に解釈を委ねる感じ。
僕的にはこれまでの二人の関係は消して崩れることは
ないんじゃないかなぁと。
そこに恋愛が生まれても、なんだかんだで「バカやってんなぁ」の
形は変わらないんじゃないかなと。
良き関係。
逆にマキシムの毒母との関係が心配になる。
久しぶりにあんなダメ親を見ました。
息子の優しさを無下にして金をせびったり、暴力、最後には顔に
唾を吐きかける始末。
こりゃぁもうダメダメだよ。
アルコール依存やニコチン依存もあるのでしょう、自らのストレスを
我が息子に投げかける。
二人の関係が修復する気が全くしない・・・。
やるせなさすぎますねぇ。
そんなこんなで。
繊細なんだけどさわやかな印象。
そして、ちょっとこう昔のことを思い出させた作品。
グザヴィエ・ドラン監督。
要チェックですな。
≪点数≫
6点
(21.05.09鑑賞)

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