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No.1918 『82年生まれ、キム・ジヨン』
No1918 『82年生まれ、キム・ジヨン』
2019年制作 韓
監督:キム・ドヨン

≪キャッチコピー≫
『大丈夫、あなたは一人じゃない。』

≪ストーリー≫
結婚を機に仕事を辞めたジヨン(チョン・ユミ)は育児と家事に忙殺され、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。ある日、ジヨンは他人が乗り移ったかのような言動をするようになり、さらにその時の記憶は全くなくなっていた。夫のデヒョン(コン・ユ)はジヨンにその真実を告げることができずにいた。

≪感想≫
韓国で大ベストセラーを記録した同名小説を映画化。
この小説の噂はめちゃくちゃ聞いていて。
とても興味があっていつか読まなきゃなぁと思いながら、
まずは映画の方を鑑賞。

さてさて。
とにかくキム・ジヨンが受けている日常の不条理にズキズキしっぱなし。
「女性の生きづらさ」を全面的に描かれた本作。

むむむ・・・何だろうなぁ。
社会が成長していったり、変化していくうえでは
やっぱり痛みも伴うものなんだろうなぁと思ったり。
今回、描かれていた時代の女性たちは社会的にも立場が悪く
家庭の中でも立場が悪い。
しかもそれは悪意に満ちたものではなく、そのシステムが組み込まれている
からこそたちが悪くって。
恐らく、この社会の中でも順応して暮らしている方達もいて、
違和感なんてなくむしろそれが心地良いという方もいるんだろうなぁと。
ただ、本作のキム・ジヨンのような女性も少なからずいるし
そこは変えていくべきで救うべきシステムなんですよね。
そしてそのシステムを変えるにはこれまで当たり前のように
組み込まれているシステムや人たちの意識をアップデートさせなければと。
本作でも話されていた、時代に合わせた変革をってなもんで。
柔軟な心を持たなければ。
変化を楽しめる心を持たなければ。
より良い社会にしていくためには必要な事なのでしょう。
なかなかまとまりませんが、先は長いなぁと・・・。

ただこれはめちゃくちゃ嫌な気分になったのですが、女子トイレの盗撮問題の件。
気付いた会社の男たちは気付かぬふりをしていたようで。
なんてクズ野郎!!
あと、ジヨンが高校生?くらいの時にバスで起こった事件について。
あの男子学生の恐ろしさったらもう・・・。
なんてゲス野郎!!
これももしかしたら、男性の根底には女性に対する蔑視的な気持ちが
刷り込まれている証拠なのかも。
ゾッとしましたよ・・・。

物語の着地。
何となく、幸せな方向に向いていってとても爽やかな
名残を残しつつ終わっていました。
ただ、僕的にはこの終盤の終わり方が何ともやっとしていて。
つじつま合わせのように急展開していった感が。
それはそれで良いのですが、もう少し丁寧に回復、そして
未来へと歩んでいく姿を見たかったなぁと。
ベストは中盤でジヨンが再就職が決まって、未来へと進み出す件で
終わってくれると良かった。

あそこまでどん底に落ちているジヨンなのに、最後は
パッと回復している姿を見るのは、嬉しいんだけど
少しだけスッキリしませんでした。

もう少し、メッセージについて。
本作ではジヨンに対する扱いを通して、観ているこちらの意識や考え方を問われる。
旦那としての立ち振る舞い、父親として、弟として、社会人としての
考え方や諸々。
ただ、本作って実は男性がどうこうというよりかはそれまでの文化や
風習、そして社会のシステムがダメだったんだなぁと思ったり。
そこから人たちの心にダメな部分が根付いているんですよね。
人を「思いやる」という気持ちを放棄してしまって。
「当たり前」という楽な思想にたどり着く。
何だかなぁと。

自分の年代はそのいわゆるハラスメント的な事や女性が受けている不平等的な
社会を少し経験もしてきたし、心に刷り込まれている部分の多々あると思っていて。
今尚、その刷り込まれている「当たり前」的な発想が時折、見え隠れしている
事を本作を観ながら改めて思い出させられて反省。
そして自分を正当化しようとする思考にこれまた反省。
ふぅ〜〜〜・・・。

そんな感じで。
結構、ヘビーな流れとじんじん痛みが走る内容にちょっとどんより。
それを考えると最後の爽やかな終わり方は少し良かったのかなと思ったり。
色々と身につまされたり思うところがあったり。
今後の社会を生きていくためにも観て良かったなぁと思いました。

そうそう。
めちゃくちゃ余談というかふと思ったのですが、
本作の着地はジヨンが作家になって物語を終えます。
この後のジヨンはまさか以前観た邦画
ミセス・ノイズィ」に続くのかぁ(笑)
人生七転び八起き(笑)
なんて思ったりもしました。

≪点数≫
  8点
                                           (21.05.09鑑賞)

こちら原作本。
読まなきゃ。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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