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No.1904 『野球少女』
No1904 『野球少女』
2019年制作 韓
監督:チェ・ユンテ

≪キャッチコピー≫
『あきらめない。何があっても。』

≪ストーリー≫
最高134キロの速球と鋭い変化球が強みのチュ・スイン(イ・ジュヨン)は、高校卒業後にプロ球団でプレーすることを夢見て熱心に練習を重ねてきた。しかし、女子という理由でトライアウト(プロテスト)を受けられず、友人や家族からも夢を諦めるよう説得される。そんな折、かつてプロを目指すも断念したチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)がコーチとして赴任し、スインの運命は大きく動き出す。

≪感想≫
韓国映画。

一人の女子高校生がプロ野球選手を目指して奮闘するっつーお話。

話だけ聞いていると、いろもん的な痛快スポコン映画と思いきや。
全体的にトーンを抑えた、落ち着いた傑作でした。

いやぁ・・・素晴らしかった。

観ていて何度も泣かされるシーンが。
スインがナックルボールを特訓していくシーン。
コーチのジンテもスインを認め彼女の長所を伸ばしていくという
一人の意思が波及して二人になって動き出すシーンは
やっぱりうるりと涙してしまいました。
次は、終盤のトライアウトシーン。
プロ選手と勝負をすることになったスイン。
ここでは一緒にトライアウトを受けている女性プレイヤー、
そして周りのメンバー。
ジンテコーチや母親まで。
またまた意思が波及して色々な人たちの気持ちを高めてくれる。
これまたグッと涙してしまいました。
というか、このシーンに関してはマウンドに立っているスインの
姿を見ているだけでグッときましたねぇ・・・。
これまでの苦労が実を結びまたひとつ殻を破ってその位置に
立っている姿を見るとやっぱりね。
しかも、様々な人たちの思いがひとつになっているあたりもやっぱりね。
そして、最後はラストの球団社長とお母さんとのやりとり。
球団社長が契約金のお話をしていると、母親は契約金は受け取るものではなく
支払わなければいけないものと勘違い。
それでも、どうにかお金を集めて払えるようにします的な対応に
微笑みながらも号泣。
それまでの母親とのやりとりや想いも知っているだけに、めちゃくちゃ
泣けました。
本作はこの母親が良かったなぁ。
母親は母親で苦しい生活をしていて。
娘に厳しく当たるもそれは家庭のため。
ただ、しっかりと娘と向き合えていない自分がいるのも知っていて。
中盤のスインを工場に紹介している時にスインのカバンの中身を見てしまった時の
あの表情。
スインの夢を諦めさせる事と向き合うことの苦しさ。
それがラストにはしっかりと夢を応援することに繋がるんだよなぁと。
グッときます。

そうそう、少し余談ですが、スインの特訓シーンで階段をアヒル歩きで登頂するシーン。
スインが登りきって両手でガッツポーズ。
ロッキー」っぽいなぁ・・・って。

あとね。
本作でスインがプロになるために取った過程が素晴らしくって。
スインは速球を投げるために自己流で特訓するも、女性だからか、そもそもの筋力や
技術が伴っていなくって。
そこでコーチのジンテは短所をカバーするのではなく長所を伸ばして
戦おうとサポートする。
・・・そうなんですよ!!
短所を直すのではなく長所を伸ばせば良いんです!!
このやり方が功を奏し、スインは自分の武器であるナックルボールを習得する。
なんか、この育て方、考え方がとっても良いなぁって。

もひとつ。
ジンテとスインの関係性も素晴らしかった。
ジンテもプロを目指してなれなかった、いわゆる負け犬の一人で。
それがスインと出会って、自分のコーチとしての才能を改めて開花させ、
スインをプロへと導く。
二人の会話で、
「ジンテの代わりに私がプロになる!!」
的なやりとりはとてもグッときましたよ。
良いですねぇ・・・。

そんなこんなで。
一人の人間の「貫く強さ」が、色々な人たちの意識を変え、ルールを変え、
世界を変える。
本作は意外と男性だ女性だという部分はそこまで強くないように感じました。
それだけ、ジェンダーレスな世界が浸透してきているのかなとも。
確かにここで描かれているのは女性初的な物語でしたが、そこを超えることの
難しさというよりかは、「意思」を貫き通す強さを描いたお話に感じましたよ。

いやぁ・・・素晴らしい!!!!

スカッとする良作ではありませんでしたが、しんみりジワリとくる傑作でした。
オススメです!!

≪点数≫
  9点
                                           (21.03.13鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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