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No.1867 『佐々木、イン、マイマイン』
No1867 『佐々木、イン、マイマイン』
2020年制作 邦
監督:内山 拓也

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
俳優になろうと上京したものの一向に芽の出ない石井悠二(藤原季節)は、すでに恋人としての関係が終わっているユキとの同居もなかなか解消できずにいる中、高校時代の同級生だった多田と再会したことを機に、校内のカリスマ的存在であった佐々木との日々を回想していく。やがて、ある舞台への出演が決まった悠二は、その稽古に参加するうちに舞台の内容が自身の過去と現在とつながっていくのを感じる。さらに停滞ぎみだった日常は徐々に変化し、数年ぶりに佐々木から着信が入る。

≪感想≫
舞台役者の悠二は、鳴かず飛ばずでしがない生活を送っていた。
そんな時、高校時代の友人、佐々木との青春を思い出す・・・。

いやぁ、これまた素晴らしい邦画に出会いました。

キャラクターの実在感が半端ない。
本作品の奴らは今もどこかでいきているんじゃないかという感覚に。
一人一人がしっかりとそこにいて魅力的に佇んでいる。
僕的には佐々木の友達以上恋人未満の苗村さん。
彼女が佐々木と初めて会ったカラオケボックスからの帰り道の
ワンショットの表情とか本当に最高でした。
あと佐々木のパチンコ仲間のアイツ。
根っこはいい奴なんだけど、やっぱりちょっと社会不適合なコミュニケーション術とか
笑っちゃいましたもんね。
悠二を含めた佐々木を取り巻く仲間たちも自分の高校時代を思い出させる
わちゃわちゃ感でグッときたし。
なんでしょう、ゲラゲラ笑いながら見るのではなく、あの頃を思い出しながら
グッときながら観ている感じ。
一人一人の物語があってね。
木村の恋物語も良かったなぁ・・・。
別に深く掘り下げられているわけではないけど、ちょっとしたシーンで
彼もしっかりと生きていたんだなぁって。

バッティングセンターの粋な伏線と回収。
あそこで佐々木は佐々木のままなんだという嬉しさと、反面、
佐々木は佐々木のままなんだという切なさ。
色々と想いが込み上げてグッときたなぁ。

物語の着地。
主人公の悠二はもう一歩先に進んだ。
殻を破る激走シーンと慟哭は確かに彼を成長させた。

エンディングの駆け抜けるシーンもグッときたけど、そこから
まさかのもう1スパイス。
ちょっとこの演出は蛇足じゃねぇかと思った矢先。
あのテンションなのに不思議とぐっと心が締め付けられました。
素晴らしかったです。

そんな感じで。
光と影の描き方が秀逸。
本当に奥深く描かれていて。
色々と想いが込み上げてくる映画。

監督はこの作品が撮れて本望だったんじゃないのかな。
監督の中の佐々木がしっかりと描かれていて、
そのエネルギーや想いがしっかりと描かれている。
本当にこの作品はこの監督、演者たちのやりたい事と伝えたい事が
十分に詰め込まれていたように感じ、そしてしっかりとそれが
描き切れているように感じました。

だけどね。
誰の心にも佐々木がいて、恐らくみんな自分の中の誰かに
投影し、誰かを思い出している事だろう。
その瞬間、この作品はその人の作品になりずっと心に残り続けていく。
いやぁ・・・素晴らしい。

大好きな「横道世之介」を思い出しましたよ。
あれも、誰かにとっての世之介になれたのかと考えたりしたりね。

いやぁ、また邦画の大傑作の誕生ですね。

≪点数≫
  9点
                                           (20.12.05鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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