2020-11-05 Thu

2019年制作 邦
監督:深田 晃司
≪キャッチコピー≫
『狂っているのは
この世か、
彼女か。』
≪ストーリー≫
周囲から信頼されている訪問看護師の市子(筒井真理子)は、訪問先の大石家の長女で介護福祉士を目指す基子(市川実日子)の勉強を見ていた。市子は、基子が自分に憧れ以上の感情を抱いていることを知らなかった。ある日、基子の妹のサキが失踪する。その後サキは保護されるが、犯人として逮捕されたのは思いも寄らない人物だった。事件への関与を疑われた市子は理不尽な状況に追い込まれ、全てを失ってしまう。
≪感想≫
いやぁ・・・。
どんより重い、いやな後味を残す、すっごい作品でした。
演出の妙。
本作は過去と現在を交互に描き出す演出。
それが特に字幕とかで説明することもなく描き出す。
下手な監督さんだったら、よくわからなくなりそうなものなのに、
本作はそれが絶妙に描き分けられていて。
ちょうど良い塩梅でそこに虚実も入り交えながらストーリーが進んで行くので
サスペンス色が色濃くなり見応えがあるものに。
キャスティングの妙。
先に書きましたが、過去と現在を行ったり来たりの描き込みが
しっかりとできていたのは主演の筒井真理子さんの演技の妙も
あったから。
その表情やルック、過去では真面目で誠実な女性。
それがある事件をきっかけに徐々に心が崩壊し狂って行く。
そして最後に向かっての感情の起伏はマックスとなりえげつないものに。
本当に素晴らしい演技でした。
他にも助演女優の市川実日子さんは相変わらず素晴らしかったし、
池松壮亮くんも素晴らしかった。
その他の方々も見事に嫌なキャラクターばっかりで。
ただ、純粋な嫌さではなく、本当に人間の弱いところからくる嫌さというか。
みんなを見ていると、本当に凹んでしまいましたよ。
お話について。
マスコミたちのいやらしさ。
綺麗ではない側面を持った人間の描き方。
一歩間違えれば誰だって大小の違いこそあれど、そっち側に行くであろう
いやらしさ。
全体的にやな部分も見せられてずっともやもやもや・・・。
描き方やキャスティング。
訴えている事。
とんでもなく良い映画なんだけど、とんでもなく落ちちゃった・・・。
着地に関しても、彼女たちの未来に光が差し込まなくって。
どんよりどよどよ・・・。
それでも生きていく彼女たちを思うとねぇ・・・。
そんな感じで作品としてはとても素晴らしい作品なのは間違いないです。
ただ、あまりお勧めもできないし、2回は観たくないかな。
むむむ・・。
けど凄い作品なんだよなぁ・・・。
観て欲しい気持ちも。
≪点数≫
2点
(20.08.01鑑賞)

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