2020-10-19 Mon

2018年制作 邦
監督:藤井 道人
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
明石幸次(阿部進之介)は、内部告発した父が自殺に追い込まれたのを機に実家に帰るが、家庭は崩壊寸前だった。そんなとき、児童養護施設のオーナーの北村(安藤政信)が彼に救いの手を差し伸べる。明石は、孤児を養う一方で子供を守るためなら罪を犯すのもやむを得ないという考えを持つ北村に魅了される。
≪感想≫
俳優の山田孝之さんプロデュース作品。
俳優もやられて歌手もやられて多方面で大活躍中の山田くん。
めちゃくちゃ多彩な方ですね!!
僕的には大好き朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」の恵達役が印象的。
あとは「クローズ」の芹沢多摩雄役。
とにかく振り幅がすごくって、どんな役でも見事にこなせる個性派俳優さんって感じ。
大好きな役者さんです。
さてさて・・・。
いやぁ・・・尖ってますねぇ・・・。
作り手たちの熱量がビンビンに伝わってくる作品に仕上がっておりました。
まずは、演者さんたちがとても見事だった。
主演の阿部進之介さん。
初めて観ましたが虚無な感じと、一度帯びた熱量の爆発シーンは
凄まじかったです。
ヒロインの清原 果耶さんも素晴らしかったな。
実は僕的に清原さんは前々から注目していたんですよね。
「オロナミンC」のCMで「シュポッ!!」って言う姿が魅力的でねぇ・・・。
他にも安藤政信さんは相変わらずの闇クオリティ。
明石と一緒に闇で活動する奴らもみんなルックが良くってね。
小西真奈美さんとかも素晴らしかったな。
金髪のアイツも良かった。
金髪のアイツは、昨年観た良作「メランコリック」の松本を思い出したり。
とにかく演者さんたちが素晴らしかったです。
お話について。
本作は勧善懲悪を描いておらず「善」と「悪」が共存し、どこまでが善きことで
どこからが悪しきことかを問いかけていて。
言っていることは分かるんですが、ダメな部分が絶妙なラインで投げかけてくる。
めちゃくちゃダメな事なんだけど、そのダメなことに至るまでの「理由」を描いてくるので
頭ごなしにダメとは言えない。
ただ、やっぱりダメなもんはダメなんだよという気持ちがぬぐい切れない。
すっごい不快感だけが残るというか。
ラストの着地について。
結局、本作の悪党どもの一部は何も制裁を受けないまま、ましてや成長も改心も
しないまま終わりを告げます。
例えば、社長の三宅。
例えば、証拠を持った川上。
そして、僕的には一番憎たらしかった証拠を売りつけた山口。
山口に関しては憎たらしい顔もしていてねぇ・・・。
あと、本作では裏と表の部分があるんだよ的なお話なのに裏の部分だけ
描かれているキャラも多くって。
そこら辺も、救いがなくってちょっと苦かったなぁ。
他にも、結局、明石の妹とお母さんはまた今後もさらなる悲劇が
待ち受けてるんじゃないかと思うと痛々しくってね。
児童養護施設「風車の家」の今後もどうなるか分かんないし・・・。
悪党どもの未来だけは満帆な様な気がしてね・・・。
とにかく、お話の着地に関しては後味のわるぅい仕上がりになっておりました。
全体的に。
演出とか世界観、ストーリーとかちょっと洋画っぽいなぁと思ったり。
骨太ノワールなんだけど、落ち着いた印象ではなくすっごい圧のある尖り。
描かれている内容が内容で着地が着地なだけに、けっこうストレートな
不快感が半端なくって。
映画としては見応えもあるし、前のめりで鑑賞させてもらったんですが、
いかんせん後味が悪い。
めちゃくちゃ褒めたいんだけど、いかんせん後味が悪い(苦笑)
すっごい良い作品なんだけど・・・。
役者さんたちも魅力的で素晴らしかったんだけど・・・。
むむむ・・・。
先に書きましたが、とにかく作り手の尖りが前面に押し出された作品。
そんな良作でした。
≪点数≫
3点
(20.07.10鑑賞)

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