fc2ブログ
 
■プロフィール

ゆず豆

Author:ゆず豆
映画のレビューをつらつらと・・・。

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ

■カテゴリ
■カウンター

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

No.1823 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
No1823 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
2019年制作 米
監督:グレタ・ガーウィグ

≪キャッチコピー≫
『今日も「自分らしく」を連れて行く――。』

≪ストーリー≫
しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、アクティブな次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、ピアニストの三女ベス(エリザ・スカンレン)、人懐っこくて頑固な四女エイミー(フローレンス・ピュー)、愛情に満ちた母親(ローラ・ダーン)らマーチ一家の中で、ジョーは女性というだけで仕事や人生を自由に選べないことに疑問を抱く。ジョーは幼なじみのローリー(ティモシー・シャラメ)からの求婚を断って、作家を目指す。

≪感想≫
恐らく誰もが一度は聞いたことがあるであろう米国文学の「若草物語」を映画化。

実は私、恥ずかしながら原作は未読。
タイトルを聞いたことがあるぐらいかな。
なんか、アニメでやっていたような。
昔、平日の夕方にやっていたような。
とにかく「若草物語」弱者の私。

巷の評判がすこぶる良かったので、劇場にて鑑賞してまいりました。

さてさて・・・。

とんでもなく素晴らしい作品でした。
今年ベスト級かも・・・。

マーチ家の四姉妹。
次女のジョーを中心に四姉妹の幸せの形を描いていく。

四姉妹のワチャワチャの中には「幸せ」が満ち溢れていて。
彼女たちが一斉に揃うシーンは、ずっと観ていたかったです。
四者四様の幸せの形。
それぞれのキャラクターがしっかりと立っていてね。

キャストも素晴らしかった。
長女メグ(エマ・ワトソン)、次女ジョー(シアーシャ・ローラン)、
三女ベス(エリザ・スカンレン)、そして末娘のエイミー(フローレンス・ピュー)。
みんなとても魅力的で、僕的にはエイミーを演じたフローレンス・ピューが素晴らしかったです。
彼女の作品は、最近「ミッドサマー」、「ファイティング・ファミリー」を
鑑賞していたので、その振り幅に驚き。
そして、次回作は楽しみにしているMCUの「ブラック・ウィドウ」にも
出演するようで。
楽しみだな!!
三女のベスも慈愛に満ち溢れていて素敵な女性でした。
あの、隣の屋敷のミスター・ローレンスとの交流はとにかくグッときましたよ。
長女のメグ。
結婚に幸せを感じ、貧乏に苦しみながらもつつましく幸せに暮らしている。
ドレスの生地を無駄遣いした後の旦那とのやりとりも、素敵な夫婦関係だなぁと
グッときたり。
演じたのは「ハリーポッター」シリーズのハーマイオニーこと、エマ・ワトソン。
大人になったなぁと感慨深い。
次女のジョー。
本作はジョーの思い出を中心に物語は語られていて。
彼女は社会の常識と自由との間で揺れる戦う女性でね。
「結婚こそが幸せとは感じない・・・だけど、孤独なの!!」
的な心情を母親に吐露するシーンは刺さったなぁ・・・。
演じたシアーシャ・ローナンも見事にマッチしていて素敵でしたよ。

他にも、出てくる男性陣が全て魅力的だったなぁとか。
初めて見たティモシー・シャラメの美少年っぷりに驚かされたとか。
四姉妹の父親も愛情あふれるキャラクターで素敵だったなぁとか。

とにかく素敵な登場人物と演者たち。
出てくるキャラクターが全て優しさに満ちているように感じました。
もちろんそこには我が儘な部分や悪い所、喧嘩もあるし言い争いも
あったりするんです。
ただ、彼ら彼女たちや周りの人たちの根っこの部分はとても「優しさ」が
満ち溢れていてね。
本当に素敵な登場人物たちでした。

そうそう。
キャラクターでいうと個人的に一つだけやっちまった点が。
私、恥ずかしながら中盤までエイミーが3女で、ベスが末っ子と思ってて。
そう思うと、何となく色々な部分に合点がいくんですよね。
ちょっとそこはやらかしたなぁと反省。
とほほ・・・(苦笑)

とにかく「豊か」で多幸感に満ち溢れた傑作。
ひたすら彼女たち、あの家族の世界に入り込んでずーっと応援したいという気持ちに。
是枝監督の「海街diary」を思い出しました。
あれも大好きな作品で。
それこそあの世界に入り込みたい気持ちになったっけ。

演出も素晴らしくって。
本作は時系列をバラバラにした描き方をしているのですが、
通常なら、こういう作りってちょっと慣れるのに時間がかかったりするのですが、
本作はそれがなくって。
むしろそれが有効な語り口となっていて、とんでもなくエモーショナルな気持ちに。
彼女たちの現在を映し過去を映す。
観ているこっちは未来が分かっているから、より過去の出来事に愛しさが増す。
彼女たちのやりとりにとても「幸せ」を感じたんですよね。
何でしょう、観ていて「懐かしさ」もすごく感じる。
ひたすらグッとこさせられるというか。
ずーっと泣きそうになりながら眺めていました。
しかもこれは悲しくてとかじゃなくって嬉しくてとかじゃなくって、
琴線に触れる演出というか。

最後の着地の描き方について。
二つの着地が描かれる。
一つはジョーが出版社と小説「若草物語」の原稿料について交渉するシーン。
一つはジョーがフレデリックとドラマチックに結ばれるというシーン。
これはジョーを本作の原作者のルイーザ・メイ・オルコットとして重ね合わせた
作りにしていて。
現実とフィクションを上手に行き来していた作りだと考えると、
やっぱりこれは素敵な物語だなぁとグッときてね。

音楽も素晴らしかった。
何でしょう、無条件で涙が溢れてくるあの感じ。
素敵な映像も相まって

監督はグレタ・ガーウィグ。
元は役者さんで「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」とか
は観たことがあります。
魅力的な方というイメージですが監督さんでもあったんですね。
こんなに大傑作を撮るなんて本当に多才なお方で。
今後も追い続けていきたい監督の一人になりました。

本当に素敵な作品。
もう一度、映画館で観たい。
とにかく彼女たちに会いたいです。

≪点数≫
  10点
                                           (20.06.23鑑賞)

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
満足ならクリック!!
スポンサーサイト





映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する