2020-09-19 Sat

2018年制作 米
監督:アダム・マッケイ
≪キャッチコピー≫
『史上最強で最凶なチェイニー副大統領(バイス)』
≪ストーリー≫
1960年代半ば、酒癖の悪い電気工ディック・チェイニー(クリスチャン・ベイル)は、恋人のリン(エイミー・アダムス)に激怒され、彼女を失望させないことを誓う。その後、下院議員のドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)のもとで働きながら政治のイロハを学んだチェイニーは、権力の中に自分の居場所を見いだす。そして頭角を現し大統領首席補佐官、国防長官になったチェイニーは、ジョージ・W・ブッシュ(サム・ロックウェル)政権で副大統領に就任する。
≪感想≫
実話を基にした作品。
監督はアダム・マッケイというお方。
本作を観ている時、どこかで観たことあるような作風だなぁと思ったら、
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」と同じ監督さん。
なるほどねぇ。
あれもリーマンショックの裏側を描いた作品でしたね。
本作は歴史上最も権力を持った副大統領ディック・チェイニーを
描いた作品。
ジョージ・W・ブッシュ政権の時代のお話なので最近のお話。
出てくる方々は何となく見た事ある方ばかり。
そして描かれる事件等々はまだまだ記憶に新しいことばかり。
生々しいんですがエンタメチックに描いていて。
演出について。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でもそうでしたが、とてもエンタメ的にコメディチックに
歴史を描いていて。
ディック・チェイニーという男を皮肉りながら、そしてその時の大統領であるジョージ・W・ブッシュを
小馬鹿にした感じで描いたり。
政治の裏側を巧みに映し出していて。
例えば、中盤に唐突に話を終わらせエンドロールを流す演出をしてみたり。
例えば、中盤レストランにてウェイターみたいな人が、政治の悪事をメニュー紹介のように語らせてみたり。
例えば、確実にフィクションだとは思いますが、終盤にチェイニーの心臓移植のお話の描き方とか。
演出がとても観やすく作られていて、とても堪能させていただきました。
しっかしまぁ・・・。
政治弱者の私ですが、やっぱり思うところは多々あって。
ただ一部の人間たちのためにたくさんの人たちが戦争に巻き込まれ、死んでいく。
本作で描かれているイラク戦争なんてまさに。
もちろん、真実は藪の中ではあるんですが、少なからず、そういった一つ一つの
陰謀や強欲が大きな犠牲に繋がっちゃう。
今はその欲望の渦、負の連鎖の外側にいる僕に何ができるのか。
まずはやっぱり政治に興味を持つことから心がけなきゃいかん。
そして、その政治が遠からず僕たちの生活に繋がっているということを理解し、意識しなきゃならんよなぁ。
そんな感じで。
ちょっと小難しさも感じなくもなかったですが、僕的にとても楽しめた本作。
他にも、演者さんたちのルックがめちゃくちゃ似ていて(特にサム・ロックウェルのブッシュにはびっくり!!)、
すげぇメイク技術だなぁとか思ったり。
他にも、チェイニーの奥さんであるリンの女帝っぷりもすさまじかったなぁと思ったり。
チェイニーは陰で国を牛耳っているように描いていましたが、それを牛耳っているのはある意味
この奥さん(リン)であったりするのではと・・・。
ちょっと、ノムさん(元ヤクルトスワローズの監督である野村さん)の奥さんである野村佐知代さんを
連想したり。
とまぁ、色々と考えさせられる良作でしたよ。
ふと思ったんですが、こういう作品が作られて上映が許可されるって凄いなぁと。
まだ歴史も新しく、最近のお話でしかも実名で政治家たちを揶揄したりする
作品がこうやって作られるってね。
日本でこういう作品が作られてもいいのになぁ。
イメージ的には美化された作品ばかりで、本当にダメな事や批判的な作品は
作りにくいのでしょうか。
ちょっとこうエンタメ的にであればならイケるんじゃないかなと思ったり。
もちろんイキ過ぎるのは良くないとは思いますが、映画というエンタメに乗せて
世の中を考えるのも良いのかなと。
はたして今後、和製アダム・マッケイは生まれるのか。
期待しております!!!!
≪点数≫
8点
(20.06.12鑑賞)

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