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No.1813 『バーニング 劇場版』
No1813 『バーニング 劇場版』
2018年制作 韓
監督:イ・チャンドン

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
小説家を目指しながらアルバイトで生計を立てているジョンス(ユ・アイン)は、幼なじみのヘミ(チョン・ジョンソ)からアフリカ旅行へ行くのでペットの猫を預かってほしいと頼まれる。帰国したヘミに旅先で出会ったベン(スティーヴン・ユァン)を紹介されたジョンスはある日、ベンに秘密を打ち明けられ、恐ろしい予感が頭から離れなくなる。

≪感想≫※ネタバレご注意
韓国映画。
村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を原作とした映画。

何となく現代社会の犠牲者っぽい主人公ジョンスが幼馴染のヘミと出会う。
ヘミはヘミで闇を抱えていて、本質的な部分が見えない女性で。
そんなヘミが旅行先で知り合ったインテリな男性ベン。
ベンはベンで謎々しい空気ビンビンの男。
ジョンスの周りでは不穏な空気が流れ込む・・・。

主となるキャラクター3名。
ジョンス。
小説家を目指してバイト中。
父親が起こした事件のせいで実家に帰ることに。
父親の事件とはキレて傷害事件を起こしたっぽくて。
そんなジョンスもバーニングの素養を持っていて。
クライマックスのその瞬間は爆ぜましたねぇ・・・。
彼のキャラクターは現代の若者像を描いている感じ。
遠いようで近い存在でした。

ヘミ。
彼女も夢を追いかけて、何だか全てに満足していない感じ。
何を考えているのか分からないし、どこか物憂げで寂しさを醸し出す女性。
彼女を見ていると少し泣けたな。

ベン。
この人も特異なキャラクターでした。
ジョンスやヘミを心の底では馬鹿にしてオモチャのように他人を扱う。
彼とジョンス、ヘミの関係は持つ者と持たざる者。
神々の視点から一般ピーポーを見下ろす輩。
彼がビニールハウスを焼くんだ的な告白をするシーンと、
その後の行動や眼差しにはとてもゾッとしました。

主要三人に関しては掘り下げても掘り下げてもまだまだ
掴めない。
こういう奴なんじゃないか。
こんなこと思っているんじゃないか。
喜怒哀楽の一つ一つにぼんやりとした想いが生まれる。

原作は村上春樹先生の小説ということで。
なるほど納得。
村上春樹っぽさも出ていたな。
特にジョンスやヘミのキャラクターが村上春樹っぽかったなと。
ちょっとこう、自分に自信が持てなくて、踠き足掻いている感じがね。
鬱屈した若者像。
虚無の中で生きている感じがビンビンしていて。
僕もあまり村上作品は読んだことないのですが、世界観とか、
描いている人物とか村上作品のイメージと上手く合わさった印象を受けました。

クライマックスの展開について。
いろんな人の考察を読んだり聴いたり。
その中で一番しっくりきたのが、最後の展開はフィクションであるということこ。
ジョンスがベンを刺し殺す展開。
それは、一つ前のジョンスが失踪したヘミの部屋で小説をカタカタ書き綴るシーンが
あったのですが、そのシーン以降は全てジョンスが思い描くエンディング(小説)なのでは的なね。
ほぇ〜〜・・・なるほどねぇ・・・。
素晴らしい考察。
確かにそう思うと納得!!
本作は基本的に受けてにその後を想像させる作りになっていて。
全体的に謎に包まれていて、振り返ると、それぞれのキャラクターや行動にも
靄がかかっている感じ。
それがとても巧みで惹きつけられて余韻が半端ない。
素晴らしいっす。

むむむ・・・。
飲み込みづらい作品ですが、ズシリと何とも言えない想いが残る秀作。
もう一回観たいなぁ・・・。

そんな感じで。
後味は決して良くないですが、今、この感想を書きながらも答えは
出てこない。
もっともっと、色んな人の感想や意見を聞きたい。
そして、もう一回観たい。
とても素晴らしい作品というのは間違いない。
年末ぐらいに再度、鑑賞してみようかしら・・・。

監督はイ・チャンドン。
僕の周りでは良い評判しか聞かない素晴らしい監督さん。
他の作品んも追ってみるかな。

その前に、本作の原作である村上春樹の小説を読まねば・・・。

≪点数≫
  8点
                                           (20.05.31鑑賞)


こちら原作小説。
興味あります。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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