2020-09-03 Thu

2008年制作 米/独
監督:スティーヴン・ダルドリー
≪キャッチコピー≫
『愛は本に託された』
≪ストーリー≫
1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と恋に落ち、やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていった。ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、数年後、法学専攻の大学生になったマイケル(デヴィッド・クロス)は、無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。
≪感想≫
ベストセラー小説「朗読者」を実写映画化。
もちろん原作は読んだことがありません。
主演のケイト・ウィンスレットは本作でアカデミー主演女優賞を
取ったんですって。
確かに文字通り体当たりの演技でしたもんね。
さてさて作品について。
ズシリときたなぁ・・・。
純朴少年マイケルが偶然出会った女性ハンナは、とても美しく一目見て虜に。
ハンナと恋に落ちたマイケルだが、ある時をきっかけに彼女は姿を消す。
数年後、再び会った時は裁判中で被告人となる彼女だった。
ハンナはナチスとしてホロコーストに加担している罪で問われていたのであった・・・。
なるほど、こんな重厚なテーマだったんですね。
油断しておりました。
なんともおも〜いお話。
そして官能的で甘美な演出。
万人が知る必要のある歴史なんだけど、大人向けのお話、演出に仕上がっておりました。
ただ、お話にのめり込むことができなかったような・・・。
引っかかった点がいくつか。
まずはマイケルについて。
なぜ、マイケルはハンナの嘘(識字ができない事)を公表してやらなかったのか。
なぜ、マイケルはハンナへ面会に行くのを拒んだんだろう。
マイケルの行動によって一人の女性、しかも初めて愛した女性の人生が激変してしまったのだから。
マイケルの行動によって自らの人生も激変してしまったのだから。
うっすらと、その行動へ移るのはわからないでもないのですが、
何とももやもやとしてしまいました。
最後も少しだけ報われた感はありますが、それが最良だとは
思えなくってね。
ハンナについて。
ハンナは良くも悪くも無垢な人間。
過去にホロコーストに関わっていたことも特に悪びれもなく、
それが当たり前の事かのように淡々と事実を話し出す。
ただ、彼女にも羞恥の心は持ち合わせていて。
彼女は自らが識字ができない事をひた隠しにする。
これもまた、彼女の無垢なる部分が出たのでしょうねぇ。
最後。
彼女は自らで命を絶ってしまう。
僕的に、この行動にいたるまでの思いがピンとこなくって。
これまたひたすらもやもやもやもやと考える。
つまるところ、彼女は恐らくですが通常の教育を受けてこなかったんですよね。
読み書きができないのと同時に、倫理観、道徳的な学びもしてこなかったのでは。
だからこそ「無垢」であり「無知」であるわけで。
それが、囚人生活の中でマイケルのおかげで書く事を学ぶ。
それと同時に、色々な本を聞く事で知識や倫理観を学んだのではと。
それによって、彼女が過去にしでかしたことの重さを感じ取ったからこそ、
罪悪感が膨れ上がってあのような結果につながったのかなぁと。
いやぁ〜〜〜辛いっす・・・。
この感想を書く中で、色々な方の感想を読んだんですが、
原作本の評判がすこぶる良くってね。
それだけに本作の評判は著しくないものも多々見受けられて。
むむぅ・・・まずは原作を探すべし!!
≪点数≫
5点
(20.05.23鑑賞)
こちら原作小説。
いずれ必ず・・・。

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