2020-08-30 Sun

2019年制作 邦
監督:山崎 貴
≪キャッチコピー≫
『これは、数学で戦争を止めようとした男の物語。』
≪ストーリー≫
昭和8年(1933年)、第2次世界大戦開戦前の日本。日本帝国海軍の上層部は世界に威厳を示すための超大型戦艦大和の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六は今後の海戦には航空母艦の方が必要だと主張する。進言を無視する軍上層部の動きに危険を感じた山本は、天才数学者・櫂直(菅田将暉)を軍に招き入れる。その狙いは、彼の卓越した数学的能力をもって大和建造にかかる高額の費用を試算し、計画の裏でうごめく軍部の陰謀を暴くことだった。
≪感想≫
三田紀房の同名漫画を実写化。
数学の天才が軍人になって数学を使って国を動かすか!?っつーお話。
いやぁー面白かったっす!!
最初は戦場でドンパチやる戦争映画なのかなと思って観ていたら全然そんな事なくって。
太平洋戦争に至る前の会議等々のお話でしたよ。
ただこれはこれでれっきとした戦争映画で。
物語の展開や演出が素晴らしくって見応えあるエンタメ作品に仕上がっておりました!!
まず良かったところ。
お話の展開が面白かった。
思っていた着地にはたどり着かず、どんどん自分が思っていたゴールが変わっていく感じ。
最初は、天才数学者・櫂直が戦艦を作るのを止めるために奔走していって
大逆転で食い止めるのかなぁと思いきや・・・。
間違ってはいないんですが、そこから一波乱二波乱。
それまで飄々としていて何となくカリスマ性も感じなかった山本五十六たち。
彼らは彼らでまた違う顔を持っていて。
彼らの本質を知った時。
歴史上の偉人とも言える山本五十六の軍神とも呼ばれた本性を知った時はゾッとしましたよ。
何でしょう、全体的に軍人が軍人である部分を見せられた感が半端なくって。
どんな風に転がっても戦争に向かっていく感じ。
あのオープニングの戦争シーンに繋がっていく感じがちょっとだけゾッとしちゃってね。
田中泯さん演じる平山中将も怖かった。
クライマックスの彼の言動や行動、信念が国を想うが故の行動なんだけど、
それが後の結果に繋がる事を考えると、やっぱりもやっとね。
そういえば、脇を固める人物で高任という人物がいました。
平山中将寄りの若手軍人でこいつが良い顔してたんですよねぇ。
見た事ない役者さんだなぁと調べてみると。
なんと!!
大好き「SR サイタマノラッパー」シリーズのMC MIGHTYじゃないですか!!
嬉しい発見になりました。
オープニングの戦争シーンが意外とゴアな感じで凄惨なシーンだったのも
後の展開にしっかりと彩を付けていて素晴らしかったな。
全体的に素晴らしかったんですが気になったところもちらほら。
まずは物語の着地について。
あのオチだと、櫂直は結局、後の日本のためとはいえ戦艦大和を作る事になるんだよな。
オープニングの犠牲者、戦争の被害者を考えると、やっぱりその行動も
もやもやっとしたりね。
もちろん、戦艦大和ができなくっても、戦争は止められなかったとは思うんですが、
何だかやりきれない気持ちになっちゃったんですよ・・・。
太平洋戦争の悲惨さを知っているだけに、すっごい嫌な気分になっちゃってね。
櫂直ならもっとやってくれるはず!!なんて期待しちゃったんですよね・・・。
歴史を変えることはできないのでしょうがないっちゃあしょうがないのですが。
ちょっと嫌な気分になっちゃったな。
そんな感じで。
良くできた作品。
最後に向かうほど見入ってしまったストーリーテリングの妙。
とても楽しむ事ができました!!
本作は漫画が原作という事で。
先に書きましたが、最後の大和が出来上がってしまった所と、櫂がそこにどこまで関わったかの部分を
漫画では描かれているのでしょうか。
櫂は戦争を始めることに抗っていたのでしょうか・・・。
未だ続いている作品とのこと。
読まなきゃいかんのぅ・・・。
≪点数≫
7点
(20.05.17鑑賞)
こちら原作漫画。
えっ!?こんなに出ているの!?

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