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No.1801 『きみの鳥はうたえる』
No1801 『きみの鳥はうたえる』
2008年制作 邦
監督:三宅 唱

≪キャッチコピー≫
『この夏が、
いつまでも
 続くような
   気がした』

≪ストーリー≫
失業中の静雄(染谷将太)は、函館市の郊外にある書店に勤める僕(柄本佑)と同居していた。ある日僕は、ひょんなことから同僚の佐知子(石橋静河)と一夜を共にする。その日を境に佐知子は毎晩のように静雄たちのアパートを訪れるようになり、三人は酒を飲みながら楽しく過ごしていた。静雄は、キャンプに行こうと僕を誘うが断られてしまい、佐知子と二人で行くことになる。

≪感想≫
佐藤 泰志の同名小説を実写化。
何者でもない、3人の男女が過ごすひと夏の物語。
ちょっと「そこのみにて光輝く」を思い出しましたが、本作の原作者が
一緒ということで。
なるほどねぇ。
ただ、こちらの方が少しだけ軽やかな印象を受けたかな。
本当に少しだけですが・・・(笑)。

さてさて。
なんでしょう・・・。
決して同じような生活を送っていなかったんですが、とても懐かしい気持ちになれたというか。
一人暮らしをしていた大学時代。
それこそモラトリアムな時代を過ごしていたあの頃を思い出しました。
馬鹿騒ぎして朝を迎えて、一人で人気のない街並みを歩いたあの感じ。
何物になれないのは知りつつも淡い期待を奥底で握りしめているあの感じ。
ぼんやりと毎日が過ぎていくあの感じ。
瞬間瞬間の楽しさ、嬉しさ、悲しさは紛れもなくあったというあの感じ。
その瞬間の匂いや景色、そして”色”を鮮明に思い出したり。
別にそれは何でもない生活の一部だったのかもしれませんが、
あの頃の自分を思い出したりしました。
もやもやもやと。

主人公の”僕”はフリーターで何となく生きている人間。
何事にも熱くならず、ただただ生きているだけの人間で。
その”僕”と同居する静雄も現在無職でこれまたぼんやりと生きている人間。
この二人の表情が凄い乾いていて。
無ではないし、楽しそうなシーンもたくさんあるんですが、何だか
そこに「熱」を感じなくって。
演じている役者さんたちが素晴らしいのもあるんですが、自分もここまで
あからさまではないんでしょうが少なからずその瞬間はあったんだろうと、
何とももやっとした気持ちに。

本作は、原作の終わり方と少し違うみたい。
本作の終わり方は少しだけ”僕”に熱が帯びる。
僕的にはそこに”僕”の成長を感じて。
初めて感情をあらわにしたというかね。
監督の優しさを感じました。

本作のヒロインを演じた石橋静河さん。
僕的にとても大好きな佇まいをしている女優さん。
以前「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」という作品を観て一気にファンに
なっちゃってね。
本作のキャラクターも見事にマッチしていていました。
ちょっと沈んだ感じとか。
ちょっと危うい感じとか。
とても魅力的な女優さんですね。
今後も追い続けていきたいです。

そんなこんなで。
少し淀んで少しもがいている時代が映し出された作品。
懐かしさを感じつつ、彼らの未来はどうか「熱」を帯びたものであれと
ふと思った良作。
これ、僕が大学時代に観ていたらどう思ったんだろうなぁ。
もやもやもや・・・。

≪点数≫
  7点
                                           (20.05.04鑑賞)


こちら原作。
本作のその後も描かれているみたい。
興味あるなぁ。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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