2020-04-17 Fri

2019年制作 独/米
監督:タイカ・ワイティティ
≪キャッチコピー≫
『愛は最強。』
≪ストーリー≫
第2次世界大戦下のドイツ。10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)は、青少年集団ヒトラーユーゲントに入団し、架空の友人であるアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)に助けられながら一人前の兵士を目指していた。だがジョジョは訓練中にウサギを殺すことができず、教官に“ジョジョ・ラビット”というあだ名を付けられる。
≪感想≫
とても素晴らしい作品に出会いました。
戦争映画なんだけど、ちょっと描き方がスタンダードとは違っていて。
普段の生活に突然訪れる悲劇。
例えば、微笑ましいシーン。
例えば、クスクスと笑えて温かい気持ちになるシーン。
そんなシーン、ジョジョの生活のすぐそばにある戦争という悲劇が映し出される。
以前観た、大傑作アニメ「この世界の片隅に」を思い出したり。
キャラクターも素敵な奴らばかり!!
スカーレット・ヨハンソンの魅力爆発!!
実は私。
本作の予告編でスカーレット・ヨハンソン演じるお母さんがウインクするショット。
あのショットを死ぬほど観てたんですよねぇ・・・。
そのシーンももちろんですが、子を想う母親、そして真っ当な心を持った
人間としてのキャラクターは本当に素晴らしくって。
スカーレット・ヨハンソンは本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたみたい。
ここ最近の彼女の躍進は本当に目を見張る。
一気に大好きになってしまいましたよ!!
キャプテンKを演じたサム・ロックウェルも素敵でした。
彼もゲイというマイノリティの中で生きてきて、恐らく迫害されてきた立場。
ユダヤ人への想いもそれはもう柔らかく優しくて。
そして、ジョジョに対してもとても温かい目で見守っていて。
クライマックスのジョジョへの対応。
問答無用でグッとこさせられる。
いやぁ・・・まいった。
ジョジョの実在の友達であるヨーキー少年もキュートで素晴らしかったな。
彼はとても純粋無垢で、子供の心ってこういうもんなんだよなぁと映し出されていて。
彼が話す言葉は僕らが忘れている純粋さそのもの。
ユダヤ人に対しても差別心はなく、思ったことを発しているだけ。
そこに善も悪もなく、ただ自らの気持ちを前に出している感じ。
ルックもまたキュートで愛らしいんですよね。
友達にしたいキャラNo.1!!
他にも、レベル・ウィルソン演じるフロライン・ラムも楽しいやつだったなぁ。
ジョジョのイマジナリーフレンドのヒトラーもいい味出していたし。
ユダヤ人のエルサも当然のごとく素晴らしかった。
ジョジョの成長記としても素晴らしかったな。
ポップに、そして少しアーティスティックに。
オシャレなんだけど、訴えたいことはきっちりとドスンと放り込む。
何よりジョジョのルックが良かった。
とにかくキャラクターに関しては言うことなし!!
また会いたいキャラクターばかりでした。
本作は演出、画作りも素晴らしかった。
上手く言えないですけど、シンメトリックな画とか、全体的にオシャレな画は
どこか、ウェス・アンダーソン風味。
飽きることなく観ることが出来ましたよ。
音楽も素敵だったな。
オープニング数分の音楽とあのジョジョの演出は一気に心奪われました!!
本当に全体的に巧みという印象。
これまでの戦争映画、子供目線の戦争映画とは少し印象が違った作品。
僕的に戦争映画ってやっぱり生々しくって痛々しさを前面に出してくる印象があって。
それはそれでもちろんズシンと来るものがあるからとても素晴らしいんですが、
本作のようにユーモアを交えながら、後々考えたり、時にズシンと響く作品も
これはこれでとても素晴らしいなと。
序盤中盤までは笑いを交えた日常。
すぐそばでは戦争があるなんて思いもしない。
そしてある事柄が起こってから一転。
観客の僕らに現実を突きつける。
すぐそばにあった戦争が牙を剝く。
ズシリと重くのしかかる現実は、その悲惨さと愚かさを映し出す。
最後の着地。
また日常は続いていく。
生きている限り幸せと不幸、光と陰は紙一重なんだよなぁと。
だけど、ジョジョやエルサの未来は希望に満ち溢れている。
もしかしたら悲しい事も待ち受けているし、過去の悲しさも消えはしないんだけど、
それでも笑顔や幸せも同じように待ち受けているんだよなぁと。
いやぁ。
本当に素敵な作品。
早くも今年ベスト級の作品。
本作ではヒトラーを演じているタイカ・ワイティティ監督。
本作はアカデミー作品賞にノミネートされていて。
むむむ・・・僕的には本作がとってほしいなぁ・・・。
楽しみ!!
<追記>
アカデミー賞が発表されました。
作品賞はなんと「パラサイト 半地下の家族」!!
これはこれで素晴らしい!!
本作は脚色賞を受賞。
おめでとうございます!!!!
≪点数≫
10点
(20.01.25鑑賞)
スポンサーサイト