2020-03-23 Mon

2019年制作 韓
監督:ポン・ジュノ
≪キャッチコピー≫
『全員失業中の一家が目指す、高台の豪邸。
そこは、最高の就職(パラサイト)先――!?』
≪ストーリー≫
半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。
≪感想≫※とんでもないネタバレあり
ポン・ジュノ監督最新作。
本作はカンヌ国際映画祭にて韓国映画初となるパルム・ドールを受賞していて。
評判もめちゃくちゃ良くって、信頼ある評論家の皆さんが激推ししている本作。
僕もめちゃくちゃ楽しみにしていて、公開2日目にいざ劇場にて鑑賞してまいりました。
さてさて。
うわ!!
なんだこの先の読めない展開の連続!!
起承転結しっかりしていて、笑ったり、ハラハラしたり、げんなりしたり、ドキドキしたり。
これぞエンターテイメント!!
素晴らしい傑作の誕生だ!!
ポン・ジュノ監督がネタバレ厳禁的なメッセージを流していましたので、
観ていない方は読まないように注意してくださいね。
とりあえず、観て損はない傑作でした!!
さてさて、ここからはネタバレ感想を。
まず、お話が段違いに面白かった。
貧乏人の一家が金持ちの家にパラサイトしていくつーお話。
まずは長男のギウが家庭教師として潜入成功。
その後、妹のギジョンがギウの紹介で潜入。
そこから父親キムが運転手として。
母親が家政婦として金持ち一家(パク一家)にパラサイト。
序盤は徐々に、そして巧みに侵食していく様がエンタメ的でとても楽しくって。
こりゃこのままパク一家を乗っ取って家庭を壊していくんだろうなぁと思っていたら・・・。
第三勢力の登場!!
まさかの元家政婦も同じくパラサイト組だったっつーサプライズ!!
こりゃまた驚きました。
この物語の二転三転していく物語は見ごたえ抜群。
思い返すとこれでまだ中盤に差し掛かるぐらいだっつーからねぇ・・・。
僕的に、ここら辺まで鑑賞していると、
「楽しいんだけど、結局はどいつもこいつも悪党なんだよなぁ」
なんてモヤっとしていて・・・。
そんな事を思っていたらまた物語のトーンが激変。
このパラサイト組の社会における立ち位置やそこに至る人間の想い。
そんなのを観せられると切なくなったりね。
キムとギウの会話。
キムはもう人生に諦めていてね。
物事を計画するからダメなんだと。
そもそも計画なんてしなくって、その日暮らしで良いんだよ的なね。
そこに夢を持ったり希望を持ったってそんな夢のような話なんてないんだという
悪い意味で達観している諦めのキム。
その彼の語りと表情が全てを物語っていてめちゃくちゃ切なくなってねぇ・・・。
そこから物語は佳境を迎えます。
クライマックスのパーティーシーンは本当にそれまでの想いや鬱屈が爆発した感じ。
ただ、そこにカタルシスや気持ち良さはなくってね。
ただただ、この社会にはびこる問題とかそこで過ごす人たちの沈んだ気持ちが
観ているこちらにのしかかる。
いやぁ、本当に凄い。
先に書きましたが起承転結が本当にしっかりしてました。
エンタメでありホラーでありサスペンスでありヒューマンドラマでもある。
何度も書きますが本当に凄いですねぇ・・・。
演出も手を替え品を替えで素晴らしかった。
パク家で描かれるドタバタ劇。
同じ画面で右往左尾しているのは緊張感があって、手に汗握るとはこの事。
誰かが言っていましたが、ドリフの全員集合的画作り。
巧みです。
他にもモールス信号の件とか。
パク家の愛息子ダソンの立ち位置とか。
あの子供が故のキム一家の匂いが一緒という気づきや、昔、幽霊をみて気絶した的な件とか
これまた巧みだなぁと・・・。
いやはや書きたいこと、喋りたいことがいっぱい。
この熱量のまま誰かと語りたいよ〜〜!!!
そんな感じで。
エンタメとしても素晴らしくって最後は現在の社会問題を投げかけて終わるのあたりは流石。
これを観た色んな方が「万引き家族」「アス」あたりとカブっているという感想がちらほら。
やはり世界はそんな格差社会がはびこっているんでしょう。
なんだか切ない・・・。
じゃあどうすれば良いのかと今も考えている・・・。
大傑作の誕生です!!
〈追記〉
本作は、アカデミー作品賞を受賞!!!!!!!
非英語作品、ひいてはアジア映画で初となる快挙を達成!!!!
いやぁ~~~めでたいめでたい。
ポン・ジュノ監督の受賞後のスピーチは本当にグッときたなぁ・・・。
≪点数≫
9点
(20.01.11鑑賞)

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