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No.1724 『メランコリック』
No1724 『メランコリック』

2018年制作 邦
監督:田中 征爾

≪キャッチコピー≫
『バイトを始めた銭湯は、深夜に人を殺していた』

≪ストーリー≫
名門大学を卒業したがさえない毎日を過ごしていた和彦(皆川暢二)は、ある夜偶然訪れた銭湯で高校の同級生・百合と再会する。そこでアルバイトを始めた和彦は、その銭湯が営業を終えた後、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本(磯崎義知)は殺し屋だった。

≪感想≫
ミニシアター系作品。

東大卒のプー太郎がバイト先の銭湯で事件に巻き込まれていくっつーお話。

恐らく低予算で作られたであろう本作。
フレッシュでとても素晴らしい作品でした!!!!

作品のバランスが凄く良かった。
決して派手ではなく、地味目な、いわゆるオフビートな雰囲気。
ただ、そこで流れる映像は裏社会というダークな世界。
なんだけど重苦しくなく、とても身近で寄り添ってくるような世界観。
最後の最後まで心地よく観れたかなと。

その原因の一つとしてまず演者、そして本作のキャラクターの素晴らしさ。
キャラクターの佇まいがめちゃくちゃ素晴らしかった。
キャラ全員が立っていて。
役者さんたちはもれなく初見の方々。
もうねぇ・・・全ての人たちがすっごい魅力的でね。
主人公の和彦。
東大卒で一度も就職したことのないコミュ障人間。
本作は彼の成長譚でもありました。
最初の彼と最後の彼では印象が全く違っていて。
様々な経験をしてきた和彦は一回りもふた回りも逞しく映っていてね。
ヒロインの百合。
この百合というキャラクターがめちゃくちゃ可愛らしくって。
こんな彼女がいたらなぁと思えるほどできた女性でね。
一気にファンになってしまいましたよ。
そしてそして・・・。
本作の僕的MVPは2名。
一人は凄腕殺し屋の小寺先輩。
彼のファーストシーンでの殺しのポーズ。
あのワンシーンだけで彼のキャラクター、魅力が爆発。
彼をもっと観ていたいと思わせてくれる素晴らしいキャラクターでした。
そして、和彦の相棒となる殺し屋、松本。
彼に関しては和彦と同じく最初の印象と最後の印象が見事に変わっていて。
最初は軽そうなチャラそうな男だったのが、最後は凄腕裏稼業の殺し屋に
なっていて。
松本に関してはルックも素晴らしかったな。
あの首の太さと顔のバランスがなんともね。
軽薄そうにも見えるしめちゃくちゃ怖そうにも見えるし・・・。
すっごい魅力的なキャラクターでね。
この二人に関してはアクションやら佇まいやらがすっごいカッコ良かったんですよね。
やっていることは、最悪なんですがすごい魅力的で・・・。
他にも銭湯の親父(東さん)やヤクザの田中。
和彦の両親も素晴らしかった。
なんども書きますが、本作はキャラクターがみんな立っていて。
また会いたくなる感じ。
主要人物たちには本当に幸せになってほしいなぁって。
皆さん本当に素晴らしいキャラクター、そしてそれを演じた役者さんたちでした。

着地も良かったなぁ・・・。
やっていることとか描かれていることを考えると、
バッドエンディンになりがちな作風でしたが、本作は未来に繋がりそうな素敵な着地。
もちろん、彼らのやってきた事、未来のことを考えると決して平凡な未来は
待っていないことでしょう。
ただ、この瞬間はとても希望に満ち溢れていてね。
微笑ましく見守ってしまいました。
やっぱり作り手が巧いんでしょうね。

ちょっと気になるところを強いていうなら。
クライマックスのガチャガチャしたシーンがちょっとザラッとしたかな。
あの、和彦が車を運転できない件がちょっとこれまでのロートーン、オフビートな
感じからちょっと突出したテンションでね。
ちょっとむむむと。
まぁまぁまぁ。

とにもかくにも。
めちゃくちゃ楽しめた本作。
こういうメジャーどころではなく、マイナーながらも素晴らしい作品を発見できたのは本当に嬉しくって。
本作は主役兼プロデューサーの皆川暢二さん、松本役の磯崎義知さん、そして監督の田中征爾さんで
本作を作り上げていて。
いやはや、すっごい才能を持った方達が手を組んだらとてつもない化学反応を起こして
素晴らしい作品を誕生させた。
いやはや今後の作品も楽しみな方々を見つけて幸せです!!

≪点数≫
  9点
                                           (19.12.25鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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