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No.1537 『愚行録』
No1537 『愚行録』

2016年制作 邦
監督:石川 慶

≪キャッチコピー≫
『そこには、悪意も、善意もない。』

≪ストーリー≫
エリート会社員の夫・田向浩樹(小出恵介)、美しい妻・夏原友季恵(松本若菜)と娘の一家が、何者かに惨殺された。事件発生から1年、その真相を追う週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)は、一家の関係者を取材。浩樹の同僚・渡辺正人(眞島秀和)、友季恵の大学時代の同期・宮村淳子(臼田あさ美)、浩樹の大学時代の恋人・稲村恵美(市川由衣)らから語られる、一家の意外な素顔に驚く田中。そして、自身も妹の光子(満島ひかり)が育児放棄の容疑で逮捕されるという問題を抱えていた。

≪感想≫
本作はネタバレ厳禁、事前情報をなるべく入れないで観た方がいい案件なので、
未見の方は、読まなくても大丈夫ですよー。

さてさて。

またとんでもなく後味が悪い作品に出会っちゃったなぁ・・・。
かつ、衝撃的な作品に出会っちゃったなぁ・・・。
オススメできないんだけど、観てほしい作品に出会っちゃったなぁ・・・。

一年前に起きた一家殺人事件を追うジャーナリストの男。
別件で男の妹が幼児虐待で逮捕されていて・・・。
二つの事件の本質、真相が少しずつ明らかになっていく・・・。

僕的に、ファーストシーンがとんでもなく印象的で。
妻夫木くん演じるジャーナリストがバスで座っているシーン。
バスには老婆が立っていて、その横に立つ中年の男性が妻夫木くんに
席を譲るよう少し説教くさく語りかける。
妻夫木くんはめんどくさそうに立ち上がるも足を引きずる仕草を。
彼もまた身体に障害を持っている風で。
気まずそうな中年の男性・・・。
妻夫木くんはバスを降りて中年の男性を見送る。
その後、彼は引きずり障害を持ったであろう足を使い普通に歩き出す。
彼は中年の男性に腹が立って嘘をついていたんです。

まぁこの一連の流れに少しゾッとして・・・。
何が本当なのか嘘なのか、そして人間の汚い部分、さらにはこの妻夫木くん演じる
ジャーナリスト田中の人間性を一気に観せられた感じ。

このシーンで一気に心鷲掴みにされましたよ。

そこから田中は一家惨殺事件の被害者である家庭を追いかける。
まずは夫の同僚で同期の男、妻の大学時代の友人、その友人の元彼氏、
夫の大学時代の彼女。

そこから浮き彫りになってくる人間、と言うかこの登場人物たちの醜さ。
妬み、嫉み、我儘、利己的な思考、聞いていてとても不快な感じ。

正直、観るのを止めようかなぁと・・・。

特に最初の同僚の話は本当に苦手なお話でした。
異性をゲーム的に扱っているのが凄い胸糞悪くってね・・・。
自分の大学時代の周りにもこんな奴らってそういやいたなぁなんて
思い出したり。

序盤中盤ぐらいまでこんな感じが続くもんだから、人間のいやぁな部分を
浮き彫りにするドキュメンタリックな作品なのかなと思いきや・・・。

ここからびっくり。
まさかの衝撃展開が待っていました。

それは、田中の妹も実はこの一家殺人の被害者である妻と大学時代に
会っていたという真実が明らかに。
もっと言うと、被害者である妻と仲良しだった事が明らかになるんです。

ここから物語の見方が一変。
一気にサスペンス性、エンタメ性が急上昇。

それじゃあ一家殺人事件の犯人は一体誰なんだ?
田中の妹はこの事件にどう関わっているのか??
的なお話に様変わり。

そっからの世界観も相変わらず暗くって、濁っていて、
沈んだ展開なんですが、いくら不快に思っていても、
目が離せなくなっている自分がいて。

終盤からは衝撃の展開目白押し。
田中のあの行動。
光子の子供に関して。
全て大げさに演出するのではなく先に書いた沈んだトーンの中で
さらりと描き出す。

むむむ・・・。

また、凄い作品に出会ってしまったなぁといった感じ。

人におススメするかと言ったら、あまりおススメできませんが、
観た人とお話はしたい。

不快になるし後味が悪い事は間違いないんですが、作品としては
とても良い作品、傑作でした!!!!

本作は原作もあるんですね。
読んでみようかなぁ・・・。

≪点数≫
  9点
                                           (18.09.16鑑賞)


こちら原作。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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