fc2ブログ
 
■プロフィール

ゆず豆

Author:ゆず豆
映画のレビューをつらつらと・・・。

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ

■カテゴリ
■カウンター

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

No.1531 『白ゆき姫殺人事件』
No1531 『白ゆき姫殺人事件』

2014年制作 邦
監督:中村 義洋

≪キャッチコピー≫
『私は、私がわからない。』

≪ストーリー≫
人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。殺害されたのは典子(菜々緒)で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫(井上真央)。テレビディレクターの赤星雄治(綾野剛)は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在だったことが報道され……。

≪感想≫
職場の同僚にオススメされて鑑賞シリーズ。
いっつも僕が取りこぼしている謎の作品をオススメしてくれる同僚さん。
今回はメジャーどころをオススメしてくれました。

本作は湊かなえ原作の小説を映画化。
湊作品は色々と映像化されています。
僕も「告白」「北のカナリアたち」あたりを鑑賞しています。
小説も何冊かは読んだかな。
ただ、僕的に湊作品とは相性が悪いんですよね。
あの独特の重々しいお話がちょっと苦手で・・・。
どんより沈んだ気持ちになるんです・・・。

実は本作も原作本は読んでいたり。
こちらは、それまでの湊作品に比べてとても読みやすかった記憶があります。

さて、映画について。

なるほど、とても良くできた作品でした!!

一つの事件を色々な視点、証言から真実を見つけていくっつー流れ。
本作って実は謎解き系のお話でもなくって。

いびつな人間関係について。
SNS社会について。
物事の本質について。
ってな感じかな。

まず、怖いなぁと思ったのがSNSについて。
時代なのかなぁと思いますが、ツイッターでいろんな顔のない人たちが犯人を作り上げて、
そこから派生して、さらなる被害者やら加害者やらを生み出す。
バカッターなんて言葉が生まれましたが、まさに。
本作のネット住民たちも好き勝手書いてはいろんな人間を追い詰めていきます。
無関係な人たちがこの事件の本質とは別のところでワイワイとやっては、新しい嫌な
世界を作り出す。
恐らく今後もこういう行為は増えていくだろうし、無くなることは難しいのかなって。
例えばツイッターとかを完全撤廃するか、新しいストレスのはけ口ツールが出てくるか。
そのぐらいの事がないと、変わっていかないだろうなぁって。

もひとつ怖いなぁと感じたのが人間について。
本作では人間の嫌らしい部分とか醜い部分が多々出てきます。
ここら辺は湊作品っぽいなぁと。

赤星という男。
こいつはテレビ局の契約社員で、大学時代の同級生から得た情報で
この「白ゆき姫殺人事件」を追う事に。
勝手に有力容疑者を作り上げ、その周りの人物から自分に必要な情報だけ切り取り、
テレビに流し出す。
そして裏では自分のツイッターで好き勝手な言葉を発信。
う〜〜〜ん、こういう人間っているよなぁ・・・。

被害者の三木典子という女。
彼女は本当に嫌なやつでした。
なまじちやほやされているせいかプライドばっかり高くなって、向上心を失って。
自分を高めるのではなく、相手の価値を下げる事で自分のポジションを確立させる。
う〜〜〜ん、こういう人間っているよなぁ・・・。

ちっちゃなところで言うと、城野美姫の小学校の担任も空気の読めない先生でしたね。
デリカシーがないと言いますか。
こんな人が先生だったらやだなぁと思いつつも、こういう人っているんだよなぁと
心当たりがあったり。
この先生には何らかの制裁、もしくは言動に対しての影響を分からせて欲しかったな。

他にも他にも。

城野美姫の同僚二人も邪な二人だったし。
子供の頃に関わった同級生たりもちょっと嫌なやつだったし。
とにかく本作に出てくる人たちってなんだかなぁというやつらばっかで。
少し、いくらなんでも感があるので敢えてなのでしょう。
というか、やっぱりこの事件について語られている事は何が真実で
何が間違っているのかを色々と考えさせられました。
みんながみんな自分の主観でお話しするもんだから、一人の女性に対しての
印象や事件の結末に対しては様々な意見があって。
そこに、自分の意思を込めて話すもんだから、聞き手はそっちの方向へ誘導されてしまう。
それが、本作でも語られる
「人の記憶は捏造される。自分の都合の良いように書き換えられていく。」
という事なんでしょう。

最後の最後。
最重要容疑者候補の城野美姫から語られる真実。
これまでの証言がいかに嘘が含まれていたのかが明らかになる。

ただね・・・。
ふと思うんですが、結局のところ、城野美姫が言っている事ですら、
本当かどうかわからない訳で。
全体を鑑賞して受け手の僕は何を信じて何を疑うのか、それこそ僕の主観なわけで。
そこら辺を考えているとモヤモヤって無限ループ・・・(苦笑)

唯一引っかかったのが、マスコミの描きかた。
殺人事件のニュースについて、勝手に一人の女性を容疑者扱いして、
勝手に社会に垂れ流す。
いくら何でもそれはないでしょうと思ったり。
似たようなことは実際にあるのかもしれませんが、ここまで特定の人物を犯人扱いするのは
さすがにやらないだろうと。
ちょっと、このテレビ局の描きかたには「??」でした。

とまぁ全体的にわかりやすくって、そいうもやもやっとした思いが生まれた本作。
展開の仕方とか、着地の仕方は本当によくできた作品で、僕的に十分に堪能。
ひっさしぶりにオススメ作品が当たったかも(笑)

次はどんな作品を勧めてくれるかな。

楽しみに待っております。

≪点数≫
  8点
                                           (18.09.01鑑賞)


こちら原作本。
読みやすかったです。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
満足ならクリック!!
スポンサーサイト





映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する