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No.1478 『メッセージ』
No1478 『メッセージ』

2016年制作 米
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

≪キャッチコピー≫
『ある日突然、巨大飛行体が地球に。
            その目的は不明――』

≪ストーリー≫
巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……。

≪感想≫
ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF作品。

突如、地球上に謎の浮遊物体が飛来。
明らかにこの世のものとは思えない物体は異性から来た
いわゆるUFOのようで。
彼ら?は一体何をしに来たのか。
世界中の人たちが混乱に巻き込まれていく。

さてさて。

なるほど少し難解ながらも面白い作品でした。

ストーリー展開や内容がなかなか小難しい感じに仕上がっているんですが、
そこは許容範囲で、
「おぉ、なるほど良くできてるねぇ・・・。」
ってな感じ。

ただ、それこそ本作が伝える「メッセージ」的なものが奥深くって、
色々と考えさせられる作りに。

面白かったんですがしばらく物思いにふける様な作品でした。

地球外生命体である彼らとどう対話をしていくのか・・・。
これは、別に自分の世界でもあり得ることで。
言葉の通じない人たちとどう関わっていくかみたいな。
それのもっと広いバージョンというか。
言葉、文化、全てが違う、それこそ未知の存在とのコンタクト。

本作の主人公である言語学者のルイーズは平和的に少しずつ少しずつ歩み寄りながら、
コミュニケーションをとっていきます。

よくよく考えるとこれってめちゃくちゃ精神的に疲弊するんだろうなぁって。
だって、急に何をされるかもわかんないし、自分が思っている常識が相手にとっては
どう捉えられているかこれっぽっちも分かんないんですもんね。

それを思いながら途轍もない緊張感を持ちながら鑑賞。

本作で異星人(イカゲルゲみたいなやつ)が使う言語は謎の文字(表意文字)。
鑑賞後、色んな記事でお勉強。
本作は中国や日本、韓国の言語に影響されているんですって。
表意文字というのは、英語等のアルファベットの並びで意思を伝えるのではなく、
形(例えば漢字)で意思を伝える事のできる文字の使い方。
中国の漢字でも日本人が一目で何となく伝えたいことが分かるのが、
結構特殊らしく。
あと、この異星人が使う言語は全て一文字で表されているのも、漢字の概念に
通ずるものがあるのかな。
「なるほどねぇ・・・。」
と。

大オチを話すと、異星人が使う言語を習得したルイーズはそのおかげで、
特殊能力をゲット。

未来を見渡せる能力が身についているのだが、これまで彼女がフラッシュバックしていた
過去のお話らしきものは実は未来のお話だったという訳で。

娘を病気で亡くしていたルイーズ。
それも実は、未来のお話だったんですね。

ここら辺の時系列バラバラな演出が実はこういうオチに繋がっていたのは、
正直、驚きました。

それと同時に、これまた
「ふむふむ、なるほどねぇ・・・」
と。

大オチを知って色々考える。

例えば、自分が未来を知っていてルイーズと同じ様な状況に置かれたら。
子供が生まれるんだけど、その命が失われると知っていたらどうするか。

ルイーズは、それでもその未来に抗わず歩んでいきます。
その選択に疑う事もなく受け入れたルイーズ。

おそらくルイーズは過去や未来という時間の概念がとてもフラットになったから
思考も変わってしまったのかな。

例えば、その未来を変えてしまえばいいという強い意志を感じる事もなかったし。
どこか達観した面持ちで受け入れた様に感じました。
それでも、生まれ来る娘との時間を大切にしたいという想いからなのかな。
ちょっと僕的にはその行動にはピンとこなかったかな。

このレビューを書きながらも、もやもやっとしています。

ただそれはとてもネガティブな印象ではなくって。

むむむ・・・。

とにもかくにも。

通常の異星人侵略物の様にド派手にドッカンバッカンやる作品ではなくって、
落ち着いた静寂の中進んでいくお話。
ひと昔前に観た「宇宙人王(ワン)さんとの遭遇」を思い出しました。
あれも、似た様な内容ですが、全く違った結末。
ちょっと見比べても良いかも。

他人との対話、コミュニケーションについて色々と考えさせられる
良作でした。

≪点数≫
  7点
                                           (18.05.27鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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