2018-06-29 Fri

2014年制作 邦
監督:堀江 慶
≪キャッチコピー≫
『出会うたびに、
好きになってくれて
ありがとう。』
≪ストーリー≫
大学受験が迫る高校3年生の葉山タカシ(村上虹郎)は、織部あずさ(早見あかり)という少女と出会い、たちまち心を奪われてしまう。何度も会ううちに、あずさは自分と出会った者は必ずその記憶を数時間後に失ってしまうという奇妙な告白する。信じようとしないタカシだったが、ふと自分が誰と会って、一緒にどこへ出掛けていたのかを忘れてしまっていることに気付く。彼はあずさと出会った日の出来事、デートの約束などを詳細にメモに書き記し、記憶をとどめておくようにするが……。
≪感想≫※とんでもなく大きなネタバレあり
恋愛ファンタジー作品。
恋愛映画には疎い私。
またもや職場の同僚からのご推薦。
その方は最近、邦画の恋愛映画にハマっているらしく前回は
「君の膵臓を食べたい」を紹介してくれて。
今回は本作。
こんな時ぐらいしか、この手の作品は観ないので、さっそくレンタルしてまいりました。
さてさて・・・。
なるほど、なかなか変な作品でした。
良い意味で思っていた感じと違っていて。
主人公のタカシはある日、一人の女子高生あずさと出会い仲良くなる。
あずさとは同じ学校のはずのなのに、周りの友人や教師はあずさの存在は
知らなくって・・・。
この時点で、観ているこっちは、
「実は未来から来た女の子なのか??」
とか
「実は幽霊なのか??」
なんて想像させられる。
そして観ていくうちにあずさの口から
「なぜか私の存在は、みんなの記憶から消えていってしまうの。」
なんて言葉が。
「???」
タカシと同様に観ているこっちも、ちんぷんかんぷん。
どんなオチが待っているんだろうなんて考えながら観ていくと、
まさかまさかの展開。
なんと、あずさの言った通りそのまんまのオチで・・・。
つまるところ、あずさはなぜか分かんないけど、みんなの記憶から少しずつ
消えていく状況が本当で、そのせいでタカシの記憶からも徐々に消えて
いっていくという展開。
「なんじゃ、こりゃこりゃ。」
何のひねりもないそのままの展開にちょっと口あんぐり・・・。
だけど、これはこれで良しと言いますか。
つまるところ、現実世界でも人はいろんな事やいろんな人を
忘れていく生き物で。
そのなかで大切なものまでも忘れないようにしようっつー事を、
かなり大げさに、かなりデフォルメして伝えた作品なのかなって思いましたよ。
なるほどねぇと。
確かにいくらなんでもそりゃないぜと思う部分はたっくさん。
むしろそっちの方が多かったり(苦笑)
だって、今の時代デジタル機器やらなんやらが進んでいて、
それを活用すれば忘れないこともできるはずなのに。
実際、本作ではタカシが撮りためた動画やら写真やらが、
思い出すキーアイテムになっているのに、あんまりそこが
上手く活用されていない。
あずさはタカシ一家と写真も撮っているし、
それが居間に飾られていたりもする。
それなのに、誰でしたっけ??はいくらなんでも違和感が・・・。
例えば、記憶から消える瞬間に物質的なものも一緒に消去されるとかだったら、
違和感も少なくなっていたのかなって。
まぁ、ここら辺は重箱の隅をつつく様なもんか・・・。
本作の本質について。
人が何かを忘れていくことについて。
本作の老人ホームのじいさんがこんな感じの事を言ってた。
「忘れる事はあってもその時間が消える事は無い。」
的な。
分かるんだけど、それなら忘れないためにはどうすれば良いのか
を語ってほしかったな。
周りの人から忘れ去られているあずさ。
彼女の立場から物事を見ているとこんなにも切ない事は無い。
好きな人から、ましてや家族からも忘れ去られる。
忘れ去られるだけならまだしも、「変人」みたいな感じで見られる。
ここもいくらなんでも感はあったのですが・・・。
とにかく、このあずさの行動を思い出してはちょっとグッときました。
忘れる事のつらさと忘れられる事のつらさ。
どの視点から考えてもちょっと切なくなりましたよ。
そしてそして、物語は終盤に。
最後の最後、タカシは結局あずさの顔を忘れてしまいます。
ただ、おそらく彼は記憶の中からというより、ここで起こっている
事柄からあずさの存在をまた生み出し、あずさを求め夜の街を
駆け抜ける。
そこで物語は終わってしまいます。
ハッピーエンドでもない、宙ぶらりんの終わり方。
最初に書いた思っていたのと違う、不思議な作品。
ちょっとまだふわふわした感じ。
紹介してくれた方にどんな感想を持ったのか聞かなきゃなぁ・・・。
そして次はどんな角度の作品を紹介してくれるんだろう。
楽しみ・・・。
≪点数≫
5点
(18.04.28鑑賞)

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