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No.1465 『ファミリー・ツリー』
No1465 『ファミリー・ツリー』

2011年制作 米
監督:アレクサンダー・ペイン

≪キャッチコピー≫
『ハワイに暮らしていても
     人生は<楽>じゃない!』

≪ストーリー≫
マット(ジョージ・クルーニー)は、妻と2人の娘と共にハワイで暮らしていた。ところがある日、妻がボートの事故に遭い、そのまま昏睡状態となってしまう。それをきっかけに、妻が彼と離婚するつもりだったことや、そのことを長女(シャイリーン・ウッドリー)だけでなく友人たちも知っていたことが判明しショックを受ける。

≪感想≫
アバウト・シュミット」「サイドウェイ」そして「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」の
アレクサンダー・ペイン監督作品。
どちらも大人な感じの作品で。
味わい深い作品たち。
本作も例に漏れずそんな作品でした。

仕事にプライベートに忙しい夫のマットは、突然の海難事故で妻の
エリザベスが昏睡状態に。
これまでの生活が一転、子供の世話やら妻の世話やらに追われる羽目に。
さらに、実はエリザベスは浮気をしていたという事実を突きつけられる。

描いていることはすんごく痛くて重い。
シリアスなんだけど少しライトに感じる。

演出や描き方の妙。

例えばそれはハワイの温かな風景のせい。
例えばそれは穏やかなハワイアンミュージックのせい。
例えばそれは丁寧な人物描写のせい。

描いている人間たちは嫌な部分もたくさん持ち合わせている。
ただ、それでもそれでも。
「雨降って地固まる」
「七転び八起き」
人生ってそんなもんなのかぁと。
決してスカッとはしないんだけど、緩やかに前へと進んでいけるような着地。
凄腕監督の良作。

そこに映る人間模様は結構重いんです。
そこに映る嫌な奴も、見方を変えればなるほど納得、少し共感して見えたり。
それぞれが嫌な部分を持っていて、それが観ているこっちの共感を生み出す。
「あぁ、その気持ちや行動、僕でもきっとそうしちゃう。」
って。
「その嫌な部分、僕も持っているかも」
って。
あと、それぞれが100%嫌な奴じゃないんです。
多少のわがままだったりとか自己顕示欲だったり、そして、それだけの行動じゃなく
そこには多少の優しさも備わっていて。

誰だってそんなもんなんだろうなって。

めちゃくちゃ、痛いところをついてきて身につまされる。
そして、それが決して不快じゃない感じ。

巧みですねぇ・・・。

行動の一つ一つやセリフの一つ一つにドキッとさせられる。
例えば、クライマックスの奥さんの病室に浮気相手の奥さんがくる件。
この浮気相手の奥さんの行動とセリフはもうほとんどホラーですよ。
「女」としての本能なのか、「人間」としての本能なのか、あのマウント取る感じとか
すっごいゾッとしました。

ただ、その行動もなんとなくわかる気がするんですよねぇ。

エリザベスの父親もそう。
めちゃくちゃ偏屈で嫌なジジイなんだけど、時折、娘への愛情が見えることで、
すっごい憎めなくなるし、少しグッときたりもして。

長女(アレクサンドラ)の親友のシドもそうだったな。
最初、出てきたときは
「こいつ、典型的なチャラ男で馬鹿な奴だなぁ・・・。」
なんて、哀れみの目で見てしまいましたが、ずっと見ているとこいつはこいつで
色々抱えているし、実はいい奴なんじゃんって。

ここら辺の一人一人の丁寧な描き方で、とてもグッときて、色々考えさせられる作品に
仕上がっていて。

本当に凄腕ですなぁ・・・。

とにもかくにも。
一人の男の再生、一つの家族の再生、ある一族の再生。
いろんなことをない交ぜにした良作。
色々と考えさせられるグッとくる良作。

アレクサンダー・ペイン監督、恐るべし!!

≪点数≫
  7点
                                           (18.04.15鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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