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No.1461 『6才のボクが、大人になるまで。』
No1461 『6才のボクが、大人になるまで。』

2014年制作 米
監督:リチャード・リンクレイター

≪キャッチコピー≫
『すべての瞬間に、「大切」が宿っている。』

≪ストーリー≫
メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れ……。

≪感想≫
一人の少年を軸にその成長過程を追った作品。
本作はなんと、12年間に渡り、毎年3日間から4日間かけた撮影を継続して、
それを一本の映画としてまとめた作品で。
この企画だけでも、前代未聞のスケールだし、それを実際に
撮った上に、しっかりとまとまっているのがまず凄くって。

だって、途中で子役がやめちゃったら?

途中で俳優、女優がいなくなっちゃったら??

そもそも、脚本とかは最初っから出来上がっているの???

裏話が聞きたくて聞きたくて・・・。

完成度もすっごい高くって、本当に脱帽もの。
本作は本当に一見の価値ありです。

さてさて。

本作の主要なキャラは全部で4人。
まずは、タイトルにもなっている「ボク」であるネイサン少年。
本作は彼が6歳というまだまだ未成長の少年が12年という月日をかけて、
文字通り心身ともにどのように人間形成を遂げていくかという
記録のような作りになっていて。
見た目はもちろんのこと、性格的にもどんどん成長してく。
しかも、とてもそれがスムーズに描き出されていて。

鑑賞後、彼の現在を思い返すと、なるほどこんな性格になったのは
やっぱり、小さい頃のあの片鱗、小さい頃のあの出来事や環境から
なっているのかなぁと色々と考えさせられたりしました。

彼ってすっごい繊細なんですよね。
もともとの素養もあったのでしょうが、その家庭環境にも
一端があったのかなと。
人がどういう風に成長していくのかを映画を通して、まるでドキュメンタリーを
見ているかのごとく体験させてもらいました。

ネイサン少年のお姉ちゃんであるサマンサ。
彼女も子供のころからどんどん成長していって。
彼女に関しては僕的に違った見方をしていまして。
それは、サマンサは僕の姪っ子に見た目がそっくりなんですよね。
姪っ子は中学校1年生なので、いずれサマンサみたいにこんな感じで
成長していくのかなぁと感慨深くなったり。
演じたのはローレライ・リンクレイターという子で。
名前を見てまさかと思ったのですが、案の定、監督であるリチャード・リンクレイターの
実の娘さんらしいですね。

へぇー、へぇー、へぇー。

二人の母親であるオリヴィア。
本作は彼女の人生記録でもあったかな。
ダメンズとばっかり結婚しては離婚して。
彼女自身は向上心の塊で子供を想い、旦那を想い、頑張って生きている
はずなのに、どうも男運が無いといいますか・・・。
こればっかりは彼女の男に対するアンテナがそういう男にひっかかるんでしょうね。

ただ、クライマックスでの彼女の一言で人生を開けた外国人の件にはグッときたなぁ。
やっぱり彼女は間違っていなかったんだってね。
人生って案外そういうものなのかなってね。

二人の父親であるメイソン。
彼も最初はダメ男でしたが、新しい奥さんをめとり、子供を授かり
なんだかんだで成長していたのではないでしょうか。
子供に対しての愛情は人一倍あったように感じました。

しっかし、本作を観て思ったのですが、アメリカ人って本当に、
離婚と再婚を繰り返していますよね。
しかも前の旦那と今の旦那が仲良く話したり、逆もそう。
そこら辺の付き合い方が、日本とは違うというか。
お国柄なんでしょうねぇ・・・。
そこら辺もうまく描かれていたように感じました。

演出について。

本作、12年間も同じキャストで描いていることがまず凄いんですが、
描き方も秀逸で。
どんどん時間は過ぎていくんですが、ナレーションとか説明が一切なくって。
例えば普通なら「何年後」とか「何ヶ月後」っていう字幕が入りそうなのに、それがなくって。
次のシーンになったら急にネイサンの髪型が変わっていたり、何なら声変わりしていたりと
あえて切り替わりも自然に進んでいっていたんです。
それが、違和感が無くってこれはこれで凄いなぁと感心しましたよ。

総括。

何度も書きますが、まずこの12年間を同じキャストで撮り続けて、
1本の映画にしたという企画がまず素晴らしい。
そして、それが上手く繋がっていて一人の少年が人格を形成していくまでの過程を
見事に描き切れていたのが素晴らしい。
そしてそして、物語の終わりも人生はまだまだ続いていくんだ的な余韻を残しつつ、
今、僕がここにいる意味、人間とは瞬間瞬間の積み重ねで成り立っているという
普遍のテーマを見事に伝えきったという点でも素晴らしい。

ちょっと長尺ですが、問題ないない。

誰もが一度は観てほしい傑作なのではないでしょうか。

おススメです!!

≪点数≫
  9点
                                           (18.03.31鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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