2018-01-31 Wed

2015年制作 独
監督:ダーヴィト・ヴネント
≪キャッチコピー≫
『21世紀の諸君、お待たせしました。』
≪ストーリー≫
ナチス・ドイツを率いて世界を震撼(しんかん)させた独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代によみがえる。非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされてテレビに出演する。何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。
≪感想≫
誰もが知っているであろう、歴史上の人物。
ナチスを率いた総統アドル・ヒトラー。
彼が現代にタイムスリップしたらと言うブラックコメディ作品。
僕は、理系育ちなので世界史やらには少し疎い部分もあって。
それでも、ヒトラーがこれまでやってきたこと。
ホロコーストとか歴史上に起こった悲劇を見聞きしていると、
やっぱり何とも許せない人物だったんだろうと。
そんな、歴史的大悪人のヒトラー総統。
現代に蘇ってもヒトラー節は相変わらず。
だけど、観ていてそこまで悪い奴に見えなかったり。
国のことを思っての行動・発言の数々。
ちょっと、言っていることもあながち間違っていないのでは?
なんて思う始末。
それは、少しコメディチックに描いているから?
そもそもありえない話と高を括っているから??
何は無くとも、中盤までは微笑ましく鑑賞していました。
それがそれが。
終盤にある人物が、ヒトラーに対して放つ言葉の数々を聞いた時。
「そうだ、こいつはこれまでその思想で大量虐殺を行ったんだ!!」
なんて思うと、これまでの自分の鑑賞して彼に対する距離感にゾッとしたり。
見せ方が巧いなと。
描き方が巧いなと。
本作って、撮り方も変わっていて。
全体的にドキュメンタリー風のカメラワークだったんです。
そもそも、中身もそう言うドキュメンタリー的な、劇中劇的な流れだったので
こういう撮り方なのでしょうが、時折、モザイクがかかった人たちが結構
出ていたんですよね。
もしかして、ゲリラ的な撮影方法だったのかなって。
だって、ドイツの方にとってもヒトラーの存在って、負の存在だったから、
それが、本作のように賛美しないといけないシーンを撮るとなると、
結構大変だったんじゃないかなって。
過去の偉人がタイムスリップしてくる設定。
そして、先に書いた撮り方、演出も相まって、全体的に不思議な感覚に陥りました。
あと、本作はストーリー的にも巧み。
現代社会の問題もうまく織り交ぜていて。
you tubeやらツイッターやら。
TV業界の視聴率問題やら、移民問題やら。
そこら辺の問題を、それならヒットラーがいた時代の政治に置き換えたらどうなるか的な。
特に時折流れる、移民問題に対するメッセージは、やっぱり今見ておくべきな
作品なんじゃないのかなぁって。
ちょっと色々と考えさせられましたよ。
兎にも角にも。
お話、演出、共によくできた作品。
もうちょっと、政治や現代社会情勢について物知りになって観たらなお良かったかな。
日々、勉強なり・・・。
≪点数≫
6点
(17.11.19鑑賞)

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