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No.1318 『ディストラクション・ベイビーズ』
No1318 『ディストラクション・ベイビーズ』

2016年制作 邦
監督:真利子 哲也

≪キャッチコピー≫
『ほとばしる
剥き出しの魂』

≪ストーリー≫
愛媛県のこぢんまりとした港町・三津浜の造船所に2人で生活している芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。けんかばかりしている泰良はある日突然三津浜を後にし、松山の中心街で相手を見つけてはけんかを吹っ掛けていく。そんな彼に興味を抱いた北原裕也(菅田将暉)が近づき、通行人に無差別に暴行を働いた彼らは、奪った車に乗り合わせていた少女・那奈(小松菜奈)と一緒に松山市外へ向かい……。

≪感想≫
不気味な作品。
重々しい作品。
ただ、どこか『華』のある作品。

キャラクター、演者について。
圧倒的オーラを解き放つ役者、柳楽優弥。
殆どセリフもなく殆ど表情も変えない。
ただただ暴力を振るっているだけ。
まさに怪演。
ほんとに狂っているし、何を考えているか分からない。
ただ、確かに怖さを感じている彼に少しだけカッコ良さも感じてしまっている。
これは恐らく、キャラクターの魅力ではなく柳楽優弥くんの放つオーラなんじゃないのかなぁと。
ルックもそうですが内に秘めた獣感がハンパなくって。
彼については最後の最後まで目が離せないキャラクターでした。

そして、もう一人の怪演者、菅田将暉。
いやぁ、この人は本当に凄い。
以前鑑賞した「ピンクとグレー」や「そこのみにて光り輝く」での演技もとても素晴らしかったですが、
本作も凄かったです。
本作のキャラクターは、小物なんだけど芦原泰良という圧倒的「暴力」を手に入れて
自らの欲を暴発させるクズ野郎。
こいつがもう、驚くほどのクズ野郎で。
救いがないぐらいのダメ人間。
そんな憎々しい男を見事に演じられていました。
ほんとに観ているだけで胸くそ悪かったですもん(苦笑)

ヒロインの那奈も嫌なヤツでしたねぇ・・・。
彼女も被害者のようで加害者なんです。
万引きするわ嘘をつくわで救いようのない女。
いつか罰が当たるぞなんて思ったら案の定。
突然訪れる悲劇に巻き込まれる・・・・。
同情したいんだけど同情できない。
むしろ彼女に怒りすら感じちゃう。
彼女の未来はどうなるのかなぁ・・・・。
今回の出来事が彼女の未来にどう影響するのかなぁ・・・。

とにかく、この上記3名のキャラがキレッキレで良くも悪くも素晴らしかったです。
特に、柳楽優弥くんは圧倒的でキャラ的にもいききっていて、人間ではなく
「暴力の権化」と言った感じ。
本当に素晴らしかった。
少し、以前観た「ブロンソン」と言う作品のブロンソンを思い出したり。
彼も暴力オンリーの男だったような。

お話について。
本作は現代社会の若者を描いているのかな。
それならそれで、いくらなんでも感はあるのですが、少なからずあるのでしょう。
ただねぇ・・・。
中盤ぐらいから少し乗り切れなかったりもしたんですよね。
冒頭、柳楽優弥演じる男が誰彼かまわず喧嘩を売っていくシーンは、
突拍子もないんだけど、何だかありえない話でもないよなぁって。
それが、菅田将暉演じる裕也と出会って一緒につるむようになって、
一気にフィクショナル色が強くなったように感じたんですよね。
んんーーー、なんでしょう。
裕也のクズっぷりは良かったし芦原泰良のサイコっぷりも良かった。
ただこの二人が出会った事の化学反応みたいなものに必然性を感じなかったんです。
ちょっとコミュニケーションがとれなさすぎじゃないかなって。
そもそも芦原泰良は裕也のどこに惹かれたんだろうって。
たぶん、彼は誰でもよくってただ爆ぜたいだけなのはなんとなくわかるんですが、
それでも裕也とつるむに至った動機は少しはあっても良かったのではって。

あとは物語の着地がなぁ・・・。
救いがなくってスッキリしなかったというか。
確かに怖さはあったんですが教訓めいたことは感じなくって。
演じた俳優さんの怪演も素晴らしかったんですが、やっぱりどこか「華」を感じた部分も
あったんですよね。
これがリアルならもっともーーーっと品が無くって泥臭くって不気味な世界感を
醸し出していたのかなって。
この描かれている社会って、実際に起こりうるような、それこそどこかで
起こっているお話のような気がするんです。
もちろんいくらなんでも感は少しはありますが、やっぱり街には喧嘩が絶えないだろうし、
突然訪れる狂気って少なかれあると思うんです。
そこら辺をもう少し、リアルに感じたらもっと怖くって素晴らしい作品に仕上がっていたのではと。
もったいないない。

とにもかくにも。
キレッキレの俳優さん達の怪演を堪能させてもらった本作。
特に柳楽優弥くんはとにかく素晴らしかった!!
一気にファンになってしまいましたよ!!!!

≪点数≫
  7点
                                           (17.01.21鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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