2016-12-08 Thu

2013年制作 邦
監督:原 恵一
≪キャッチコピー≫
『人生に立ち止まった時、ひとは、愛を知る』
≪ストーリー≫
戦時中、監督作『陸軍』が戦意高揚映画でないと軍部からマークされてしまった木下恵介(加瀬亮)は、次回作の製作が中止となってしまう。そんな状況にうんざりした彼は松竹に辞表を出し、脳溢血で倒れた母たま(田中裕子)が治療を行っている浜松へと向かう。戦況はますます悪化し山間地へと疎開すると決めた恵介は、体の不自由な母をリヤカーに乗せ17時間に及ぶ山越えをする。
≪感想≫
故・木下惠介監督の自伝的映画。
本作の監督は原恵一さんと言うお方。
調べてみるとアニメ映画の監督さんらしいですね。
ちなみに僕は一つも観たことないかも・・・。
そして、本作のテーマである木下惠介監督の作品も実は一つも観たことないんです・・・。
残念。
「楢山節考」「二十四の瞳」など耳にしたことはあるのですが・・・。
さてさて、本作について。
・・・素晴らしい!!なんでしょうこのグッとくる感じ。
号泣とまではいきませんが、じわりと込み上げる涙をぬぐいながら最後まで鑑賞していました。
うまく言葉にできないなぁ。
なんで、こんなにグッとくるのか。
何でこんなに惹かれているのか。
とにかく素晴らしい作品でした。
お話としては凄く単純。
戦時中の日本。
病気の母を疎開させるために惠介と兄、そして便利屋の三人で母親をリアカーに乗せ、
せっせと山を越えるというお話。
うーーーん、なんでしょう。
とにかく美しいというかグッときたんです。
上手くいえないなぁ。
例えば、時代背景のせいなのか。
例えば、親を思う、子を思う人間力のせいなのか。
例えば、夢を諦めそうになった男の再生のお話のせいなのか。
例えば、時折流れる音楽の美しさのせいなのか。
例えば、演出のせいなのか。
例えば、出てくる役者さん達の達者な演技力のせいなのか。
とにかく素晴らしかったんですよね。
じわりと涙が込み上げたシーンをいくつか。
一つは、旅の途中、宿をやっとこさ見つけた後、惠介が土で汚れた顔を濡れ手ぬぐいで
綺麗にしてあげるシーン。
あの時の惠介の表情、母親の表情。
そしてそれを見つめる周りの人たちの表情。
そしてさりげない音楽。
上手く説明できませんが、このシーンがとてつもなくグッときたんですよね。
本当に素晴らしいシーンでした。
もう一つは、惠介が河原で便利屋と映画の話をしているシーン。
便利屋が自分の作品を素晴らしいと言ってくれている。
自分は間違っていなかったと確信させられる。
惠介の頬を伝う涙。
そこで流れる実際の木下惠介作品「陸軍」のラストシーンが流される。
これがまた良いんですよね!!
このシーンもとても良かったです。
他にもクライマックスの母からの惠介へのメッセージもとても素敵だったし。
最後の木下惠介作品が少しずつ流れているのも素晴らしかった。
役者さん達もとても良かったです。
惠介を演じた加瀬亮さんや兄役のユースケ・サンタマリアさん。
便利屋の濱田岳くんも最高に良かった。
そして何より母親を演じた田中裕子さんがとても素晴らしかった。
あの表情だけで観ている僕らを感動させるなんて、凄いなぁって・・・。
とにもかくにも。
巧く伝えられないのですがとにかく素晴らしかった本作。
故・木下惠介監督の作品を観たいと思いました。
そして、本作の監督である原恵一監督の他の作品も観たいなぁ・・・。
そして何より!!
本作はいずれまた観たいなぁ・・・。
おススメです!!!!!!
≪点数≫
10点
(16.09.18鑑賞)

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