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No.1232 『おみおくりの作法』
No1232 『おみおくりの作法』

2013年制作 英/伊
監督:ウベルト・パゾリーニ

≪キャッチコピー≫
『人と出会い、死と向き合い、人生は輝きだす。』

≪ストーリー≫
公務員のジョン・メイ(エディ・マーサン)は、ロンドン南部ケニントン地区で亡くなった身寄りのない人々の葬儀を執り行う仕事をしている。いくらでも事務的に処理できる仕事だが、律儀な彼は常に死者に敬意を持って接し、亡くなった人々の身内を捜すなど力を尽くしていた。糸口が全て途切れたときに初めて葬儀を手配し、礼を尽くして彼らを見送ってきたが……。

≪感想≫
人の死、人生を取り扱った作品。

イギリスの恐らく片田舎の公務員のジョン。
彼の仕事は孤独死した方の身寄りを探して葬儀を執り行うという仕事。
ある日の仕事は彼が住む家の向かいのアパートの老人だった。
彼は、いつものように亡くなった方の最期のために動き始める。

むむむ・・・味わい深い作品でした。
死生観みたいな所を語るのはなかなか難しいですが、やっぱりどうしても
避けては通れないですね。

本作のジョンの仕事ぶりはとても誠実で。
亡くなってこの世に存在しない方のために悪戦苦闘する。
淡々と執り行われるその作業には義務感が漂っていて。
うーん、なんでしょう。
例えば僕がこのまま独身で、もしも孤独死してしまったら・・・。
誰にも迷惑かけたくないので、誰にも言わずに
とっとと片付けちゃってくださいなんて思ったりもします。
だって、そういう事態になるという事はそれなりの生き方をしたゆえの
結果だと思うんですよね。
実は、私もむかぁし、少しだけこのジョンの仕事に近い事をやっておりまして。
まぁ死を取り扱うというか、逆の生活を取扱うような。
その中で、少しだけ色んな人の人生を伺ったりしていたのですが・・・。
やっぱり、そこにいるお方の現在って、過去の行動からの結果だったりすることが
殆どだったんです。
もちろん、この世には不条理な事もあったりして、一寸先は闇的な事もあったりするのですが、
そういう事はやっぱりまれだったんです。
だから、やっぱり孤独死はしょうがないにしろ、身寄りや周りの仲間が弔ってくれないというのは、
その生き方が反映されているのかなって。

ただね・・・。
やっぱりジョンのような誠実な方が、こうやって死んだ人を悼みながら弔ってくれると、
とても報われるというか。
僕が孤独死して身寄り人もいなければ、こういう人に看取ってもらうのも救われるなと
甘い考えも浮かんだりするのです。

本作で、ジョンはビリー・ストークという男の人生を振り返ります。
彼もやはりならず者で家族もないがしろにし、刑務所に入ったりするような奴。
そりゃ、こういう最期を迎えてもしょうがないなんて思う部分も多々ありました。
ただ、こうしてジョンが彼の人生を追う事で、少しだけの光を感じ取れたのも事実。
最後のあの葬儀に集まる人々を観て、報われたのも事実。

やはりジョンの仕事ぶりは、とても誠実で必要な事であるんですよね。

死んだあとの事なんて、まったく分かりませんが、もし無にならずに何らかの
形になるとしたらこんなにも素敵なおくられ方はないのかなって。

ただね・・・。
それを考えるとラストのジョンの展開にはとても寂しさを感じました。
思いっきりネタバレをしますが、ジョンは交通事故であっけなく亡くなってしまいます。
そして、彼の生き方や仕事ぶりはとても誠実だったはずなのに、あの最後の葬儀。
誰も来ていないじゃあありませんか・・・。
いくらなんでもそれは無いのではと、とても納得がいかないです!!
もちろん劇中で家族もいない、友達の話もでてこない、いかにも孤独に淡々と生きています、
みたいな描き方をされていましたが、いくらなんでも一人も葬儀に出てこないっつーのはねぇ・・・。

最後に彼がいままでおくりだした、孤独死した幽霊たちが彼のお墓に集まってきます。
それはとてもファンタジックで素敵な事なんでしょうが、やっぱりそこは納得いかないんだよなぁ・・・。

とにもかくにも。
最後のあの展開には納得いきませんでしたが、人をおくるということについて
色々と考えさせられた良作でした。

≪点数≫
  6点
                                           (16.06.23鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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