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No.1200 『セッション』
No1200 『セッション』

2014年制作 米
監督:デイミアン・チャゼル

≪キャッチコピー≫
『<完璧>を求めるレッスン。二人のセッションは誰もみたことがないクライマックスへ――。』

≪ストーリー≫
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。

≪感想≫
何かと巷で話題になっていた本作。
やっとこさ鑑賞することができました。

音楽学校に通う純粋無垢な青年が鬼教師と出会いその才能を見出されるも、
その厳しい指導法に齷齪するというお話。

本作のフレッチャー先生とニーマン。
実はどちらも決して良いやつではなく狂った人間なんですよね。
しかもそれが微妙なバランスで保たれている。
それこそ、僕らの社会でも全然いそうなタイプ。
フレッチャー先生も自分の信念を持っている。
彼は、褒めて伸ばすのではなく、叩いて叩いてそれでも叩いて伸ばすタイプ。
相手ありきの育て方ではなく、自らの信念のもとに行動する。
ニーマン青年。
彼もフレッチャーの犠牲者と思いきや、実は自己顕示欲の強い男の子。
自ら気に入った女の子と付き合えたのに、自分勝手に別れてくれって
いくらなんでも身勝手すぎる。
コンサートの遅刻の件もそう。
あんなコンサートのぶち壊し方だとそりゃ退学にもなるっつーの。
そこまで性格が悪くなったのもフレッチャーが作り上げたのかとも思わなくもないが、
ニーマンがもともと持ち合わせていた黒い部分が爆ぜたような気もするんですよね。
結果、ニーマンはフレッチャーの悪しき指導法をチクっちゃいますもん。

クライマックス。
学校を退学になったニーマンと、クビになったフレッチャー。
二人は再会して、また一つのコンサートに出る事になるが・・・。
ここからがメチャクチャしびれました!!!!
フレッチャーがニーマンを誘ったのは、実は彼を陥れるため。
ステージ上で、打ち合わせと違う曲をやって屈辱を与えるためだったんです。
たくさんのスカウトのいる前で恥をかかされ将来を絶たれたニーマン。
ここまでの流れは心底、震えましたね。

そしてここから本当のクライマックス。
一度、舞台を離れたニーマンは、また舞台に舞い戻りドラムソロを演奏する。
あっけにとられる周りとフレッチャー。
それでもニーマンは演奏する。
これまでの練習やフレッチャーからの虐げ、将来への夢や希望を乗せて一気に爆発する!!
ここからは、カメラも指揮者のフレッチャーと演者のニーマンを交互に映し出す。
一つのカメラでグルグルと切り替わる手法はなんて臨場感があって緊張感があって、
そして解放感がハンパない。
誰かがこれは音楽を使った殴り合いの映画だなんて言っていましたがまさしくそう!!
本作って音楽映画のようで格闘映画でもあったんです。
ジャズという音楽を使ってバッシバシと師弟がやり取りをする。
本当に殴りあっている訳でもないのに痛くて、痛くて、痛くて。
すっごい、シビれました。
実際に、限界を超えた演奏法に手からは真っ赤な血が滴り落ちる。
奇しくも、二人が思い描いた結果になった訳だ。
一人の実力者の誕生。
天才でもない男が、ある過程を経て限界を超えた真の実力者となる。
こりゃ何とも凄い。

あとねぇ、本作って僕らの実生活にもありえるお話なんですよね。
学校は少し違うけど、社会に出て組織に入ってくと少なからずこういう事ってあるなって思ったり。
上司の指導法だとか。
部下への接し方だとか。
それこそみんな自分の経験からや信念を持っているから、何が正解かは何とも言えないんですが、
それなりにバチバチっとね。

巷では、ジャズの世界がこういう物だとか、こういう物じゃないだとか、
怖い世界だ何だと話題になっていますが、僕的にはそんな感想は持ちませんでした。
どちらかというと、人の育て方や自らの成長の仕方。
限界への挑戦の先にある何か。
対人関係について深く考えさせられた作品だったなぁと。

主役の二人のキャラはあまり好きじゃありませんでしたが、とても良い作品でした!!
もちろん音楽シーンも素晴らしい!!
とくに最後のソロシーンは、今までの鬱憤が一気に爆発する名シーンでしたよ。
ちょっと、以前観た独映画「4分間のピアニスト」のクライマックスを思い出しました。
あれも屈指の名シーンでしたねぇ・・・。

≪点数≫
  9点
                                           (16.03.21鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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