2016-04-14 Thu

2013年制作 韓国
監督:パク・ミョンラン
≪キャッチコピー≫
『 ― 』
≪ストーリー≫
とあるマンションの一室で、美しい女子大生ジナが殺害された。隣の部屋に住む警察官のジョンフンは、ジナに思いを寄せるが余り、彼女の部屋を日々盗撮していた。一方警察は、ジナと不倫関係にあり、殺害当日も彼女とマンションで会っていたキム教授の身柄を拘束する。しかしジョンフンは、その日、ある男がジナの部屋に忍び込んだのを知っていた。その男は、ジナの元恋人ヒョンス。ヒョンスはジナと別れた後も執拗に追い回し、ストーカーとなっていた。ジョンフンは、とりあえず盗撮の痕跡を消すためにジナの部屋に入るが、そこに借金取りのパクという男が現れ…。
≪感想≫
韓国発サスペンス作品。
あら、なんだか意外に面白い作りですな。
前情報を全く入れないで観たせいか話の展開が二転三転コロコロコロコロ
転がっていく感じにのめり込んでしましました。
冒頭、女子大生が自宅にて殺害される。
それを見ていた隣人の盗聴マニアの男。
さてここから犯人探しが始まるのか!?
と思いきや。
あっさり、犯人が登場。
そこから、犯人と、盗聴男との対決が始まるのか!?
と思いきや。
さらなる登場人物が。
女子大生の借金取りのヤクザな男の登場。
さぁ、ここから誰が勝ち残るのか!?
と思いきや。
クライマックスのあの展開。
作りがすっごい楽しかったです。
演出も楽しかったですね。
先に書いた通り、本作は主要キャラクターが何名かいまして。
その一人一人の視点で物語が進んでいくのですが、その繋ぎのやり方が
上手かったんですよね。
物語の繋がりを少し巻き戻した時点から映し出す。
実は、こいつはここでこういう行動をしていました的な。
本作を観て思い出したのが、邦画の「運命じゃない人」。
監督は「アフタースクール」や「鍵泥棒のメソッド」の内田けんじさん。
大好きな監督さんですが、本作の作りが彼の作品を思い出させたんですよねぇ・・・。
ドンデン返しや伏線の回収が素晴らしいというイメージの内田作品。
本作はそういう作風では無かったんですが、作り方が似ていたんです。
ちょっとこう、観ていて先の展開が読めない感じがね。
とにかく巧みな演出だなって。
あと、本作って俳優さんが脚本を読んで自らこの役をやりたいってな感じで役を選ばれたんですって。
僕的MVPはヤクザな男を演じたチョ・ジヌン氏。
彼は昨年観た傑作「最後まで行く」のアイツだ。
やっぱりこの手の役はピッタリですねぇ。
いかにも悪そな感じがね。
基本、本作に出てくる奴らってみんなダメで嫌な奴なんです。
殺された女子大生も基本的には悪いしね。
盗聴男ももちろん×。
女子大生を殺したストーカー男も×。
金貸しヤクザも×。
不倫した教授も×。
唯一、被害者っぽい教授の妻も×かなぁ・・・。
ただ、全体的に悪いやつなんだけどそれぞれの信念で動いているだけに、
心底憎たらしくは映っていなくって。
むしろ少し同情的にもなったり。
歪んだ愛情ゆえにと言ったところでしょうか。
こちらも魅力はありませんでしたが味のあるキャラクター達でしたよ。
スペシャルな感じがしなくってどこかにいそうな感じがまた良かったのかもね。
最初と最後のカットを同じにするところもなかなか粋だなとも思ったり。
お話自体や、物語の締め方的には正直もう一つパンチ力が欲しかったですが、
作りや演出は大好き。
もう少しエンタメ性にとんだ作品を撮ってほしいな。
今後の作品に期待!!
≪点数≫
7点
(16.02.21鑑賞)

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