2016-04-01 Fri

2014年制作 邦
監督:入江 悠
≪キャッチコピー≫
『ジョーカーを見抜け。全てを欺き、生き残れ。』
≪ストーリー≫
架空の第2世界大戦前夜。陸軍士官学校で学ぶ嘉藤(亀梨和也)は、規律に反したことで極刑に処されるところを、結城(伊勢谷友介)なる謎の男に救われる。彼は諜報(ちょうほう)組織のD機関を設立した人物で、嘉藤の卓越した頭脳や身体能力を見込んでスカウトする。数々の厳しいテストをクリアしてスパイとなった嘉藤は、人類の歴史を変えかねない発明について記された機密文書ブラックノート奪取を命じられる。それを求めて魔の都と呼ばれる都市に潜入した彼の前に、リン(深田恭子)という女が出現し……。
≪感想≫
柳広司原作のD機関シリーズの実写版。
私、原作はもちろん拝読済。
実は大好きなシリーズでもあったりするんです。
ビターなスパイ作品というか男臭漂う雰囲気とドンデン返し的な作りがとても大好きで。
そんな作品をあの「SR サイタマノラッパー」シリーズの入江監督が撮るという事で
楽しみにしていました。
そしていざ鑑賞。
むむむ・・・期待値を大きく下回ったよぅ・・・。
世界観。
先に書きましたが、本作の世界観はとても重々しく濃厚なイメージに対し、
実写版の本作はエンタメ性に特化した作風で。
まぁ、演者の問題もあるのかな。
だって、主演の亀梨君はバリバリのアイドルフェイスでとってもイケているんだもんな。
そもそも本作の時代設定って昭和初期くらいでしょ??
どうしてもその時代に見えないんですよねぇ。
言葉使いや風景にしてもそう。
どちらかというとリアルよりではなくマンガチックにも見えたりして。
ストーリーについて。
これまた軽々しいストーリー展開。
D機関の不文律である「死ぬな、殺すな」的な心得。
これがまず本作の世界観に縛りを作っている訳です。
原作はこのテーマが凄く活きているのに本作では裏目裏目に。
派手に行動すればするほど、このテーマからかけ離れていくんですよね。
「死ぬな、殺すな」を守るためには本当は派手な動きもせずに、慎ましく任務を遂行しないと
いけないはずなのに、最後の爆破の展開とかはいくらなんでもねぇ・・・。
これじゃあ敵にもバレバレで死人も出るっつーーーの!!
キャラクターについて。
主役の嘉藤という男。
冒頭、D機関にスカウトされその潜在能力に驚かされるシーンの数々で、
こいつの能力には期待できるし、どんなクールな任務遂行をしてくれるんだい
なんて思っていたら・・・。
まさかのハニートラップにまんまと引っかかるという・・・。
そもそもこのD機関という集団は冷静沈着な集団のはずでしょうに。
こんなにも人間味あふれる奴らじゃないでしょうよ。
ダメダメですよ・・・。
ヒロインのリン。
そもそも、本作に女性やロマンスはいらないんじゃないかなぁ・・・。
演じたのは深田恭子さん。
ちょっと、ミスキャストだったんじゃないかなぁ・・・。
彼女もスパイの役だったんですが、あまりアクション映えもしないしさ。
魅力的なのは認めますが、これじゃあ説得力無さすぎるよ。
ふと思ったんですが、彼女を見て「ルパン3世」を思い出したんですよね。
最後の締め方とかも、もろ不二子っぽかったですもん。
なんだかなぁと。
アクションについて。
格闘アクションや追っかけっこアクションはなかなか。
それでも、韓国映画やハリウッドのゴリッゴリのアクションには程遠いか。
ただ、中盤の敵から逃げるシーンではジャッキー・チェン主演の「プロジェクトA」の
オマージュ的なシーン(民家をノックして扉を開けさせつつの敵にバン)があったのは
嬉しかったです。
全体的には少し物足りなかったかな。
とにもかくにも。
全体的に物足りなかった本作。
ただ本作ってシリーズ物なのでいくらでも続編が作れるんですよね。
D機関のいろんな奴を主役にしていけば延々作れる訳で。
しかも、その匂いも残しつつ、また面白く作っていけそうな空気感もふんわりと。
思っていた濃厚ビターな作風を期待せず、007シリーズ的なエンタメ作品と思って
観ればいいのかな。
続編かぁ・・・出たらやっぱり観ちゃうかもね。
≪点数≫
4点
(16.01.31鑑賞)
こちら原作。
とても好き。

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