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No.1174 『ジャージー・ボーイズ』
No1174 『ジャージー・ボーイズ』

2014年制作 米
監督:クリント・イーストウッド

≪キャッチコピー≫
『夢、栄光と挫折――それでも僕らは歌い続ける。』

≪ストーリー≫
ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、瞬く間にトップスターの座に就くが……。

≪感想≫
クリント・イーストウッド監督作品。

相変わらずの巧みな印象。
凄く楽しませて鑑賞後もしばらくは余韻に浸る事のできた作品でした。

さてさて。
本作の舞台は1960年代。
実在の大人気バンド・フォー・シーズンズの経歴を基にした伝記映画。
本作の元々は人気ミュージカルなんですって。
このフォー・シーズンズというバンド。
申し訳ないですが僕は知らなかったです。
ただ、劇中で流れる曲たちはなんとなく耳にしたことがあって。
特にラストに流れる「君の瞳に恋してる」は誰でも知っていますよね。
色んな人がカバーしていて僕も大好きな曲です。
その曲たちを生みだしたかれらの栄光と挫折のお話。

それを名匠、クリント・イーストウッドが撮る。
演出について。
やっぱりこの方、さりげなく巧いんですよね。
例えば、物語の本質を語りで描かずに微妙な描写で描き出す。
それがとても絶妙な塩梅で観ていて巧いなって唸らされる。
例えば、クライマックスのフランキーが電話で娘の不幸を聞くシーン。
あれって、ダメダメな監督なら台詞で事の顛末を描きそうなものなのに、本作は違っていて。
フランキーの会話は娘に何かが起こったのか?程度で終わらせて、後の葬式シーン。
そしてさらに後に娘がドラッグに溺れていたことを知らせる。
しかもその、ドラッグがその時代には蔓延しているっていう所まで、
先のシーンでちょろっと語らせる。
うーん、巧い!!
ってな感じで、いちいちが巧いんですよね。

あと、本作は時折、主人公達がカメラに向けて語りかけてくるんです。
アニー・ホール」でウディ・アレンもやっていたような。
とにかく特異な演出方法。
僕的にはフレッシュでした。

主人公達の感情の機微を描くのも上手で。
フォー・シーズンズの4名のキャラもしっかりと立っていて。
中でもフランキーたちの活躍に嫉妬してしまうニック。
彼も、根っからの悪党ではないんですよね。
人間が持ち合わせる負の部分に飲み込まれたというか。
彼の気持ちも分かるんですよねぇ。
他の3人にしてもそう。
陰では思い悩み色んな壁にぶち当たっている。
栄光の影には苦悩と挫折と裏切りと欲にまみれた部分も持ち合わせている訳で。
痛みを伴いながらももがいている主人公達。
ラストの4人の再会からの若返った姿での熱唱はジンときました。

本当に良い作品。
鑑賞後、とにかく音楽が聴きたくなりましたよ。
音楽がどうこうというテーマでは無かったんですが、やっぱり音楽って凄いなって。
綺麗ごとかもしれませんが、「音楽」は国や人種を越えて一瞬で世界を変える事が
できる可能性があるツールだと思ったり。
だからこそ本作のフランキーのような、天性の「声」を持つ人はやっぱり特別なんですよねぇ。
羨ましい・・・。

名匠、クリント・イーストウッド。
次はどんな作品を撮るのでしょうか。
楽しみです!!


≪点数≫
  9点
                                           (15. 12.16鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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