2016-02-10 Wed

2014年制作 邦
監督:沖田 修一
≪キャッチコピー≫
『7人のおばちゃん、山で迷う。』
≪ストーリー≫
7人の中年女性たちは温泉付き紅葉ツアーと銘打った旅行に参加し、それぞれが思い思いに山道の散策を楽しんでいた。だが、彼女たちの先に立って案内していたツアーガイドの姿がこつぜんと消え、7人は山中に置き去りにされてしまう。携帯もつながらず、食べる物も宿泊できる施設もない中、彼女たちはサバイバル生活を余儀なくされ……。
≪感想≫
沖田修一監督作品。
沖田監督と言えば「キツツキと雨」や「南極料理人」「横道世之介」。
どれも大好きな作品。
特に「横道世之介」は2014年のベストに入れたくらい。
作風的にはほっこりな空気で人生を肯定したくなる感じ。
とにかくお気に入りな監督さんの一人です。
さて本作。
相変わらずの沖田ワールド。
ほっこりほくほく、のんびりした作品でしたよ。
物語的にはいたって簡単。
7人のおばちゃん達が滝を見に行くバスツアーに参加し、山で遭難するというお話。
遭難するんだけどとってもポップな感じ。
命からがらなんだけどどこかほのぼのしていてすごく可愛らしいというか。
まずキャラクターの一人一人がとても立っていて。
一人ずつしっかりとした色分けが出来ていて、それぞれがとても愛くるしいというか、人間らしいというか。
一人ずつ解説を。
1.根岸純子(ジュンジュン)
この方が一番の主役かな。
最初は根暗な感じで、穏やかながらも遭難して一番の活躍、変化を遂げた方なんじゃないでしょうか。
柔らかながらもヘビを捕まえて、みんなにイタズラする所はとってもキュート。
2.谷由美子(ユーミン)
この方は高飛車な性格の、どちらかと言うとおばさんではなくお姉さん。
一番、登山が似合わない彼女が、身の上を独白するシーンはとってもキュート。
彼女が発した
「40超えたら女はみんな同い年!」
は2015年僕的流行語です。
3.関本百合子(セッキー)
キンキン声の彼女。
太極拳をやったり小粋なジョークをかましたり。
終盤の死別した旦那との絡みは切ないながらも微笑ましくって。
4.桑田三枝(クワマン)
彼女はいわゆる一番のオバタリアン。
最後にガイドの男を蹴っ飛ばす所は最高に笑わしてもらいましたよ。
ユーミンとのタバコのやり取りはちょっとほっこりしましたね。
5.田丸久美子(クミ)
クワマンの相方的ポジション。
ちょっとオイシイ所は少なかったですが、クライマックスのオペラは滝も相まって
マイナスイオンでまくり!!
6.花沢敬子(師匠)
7人の中での最年長。
リーダー的な役割を担った彼女。
実は一番若々しかったりもしたんですよねぇ・・・。
素敵な年の取り方です。
7.三角道子(スミス)
花沢師匠の弟子的存在の彼女。
夜に師匠が独白するシーンの後に、スミスが師匠を眺める表情。
僕的ベストシーンはこの師匠を眺めるスミスの表情でしたよ!!
とまぁ、一人一人が個性爆発で素敵な人たち。
素敵なアンサンブルで楽しませてくれました。
とにかくこの人たちのやり取りが楽しいんですよね。
僕は時折、いききっているから面白いなどと感想を述べたりするのですが、
本作はその逆でいききり過ぎず、いかにもありそうな、ふと周りではこういう人たちが
いるんだろうなって思わせてくれたところが凄く良くって。
ほっとするというか。
この人たちは今頃、どんな生活を送ってんだろうなって、ふと思い出したり。
どこかほっこりする作風は沖田監督の特徴で。
本作ももれなく沖田印満開の作品に仕上がっていました。
おススメです!!
≪点数≫
8点
(15. 12.13鑑賞)

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