2015-10-19 Mon

2010年制作 韓
監督:キム・ジウン
≪キャッチコピー≫
『絶望の果てに、あなたは何を見るのか──』
≪ストーリー≫
国家情報院捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)の婚約者の死体の一部が発見される事件が発生。極秘で捜査に乗り出したスヒョンは、真犯人の連続殺人鬼ギョンチョル(チェ・ミンシク)を捕まえ、体の中にマイク付きのGPSチップの入ったカプセルを飲ませ解放する。そしてギョンチョルが犯行に及ぼうとするたびに現れ、アキレス腱(けん)を切るなどの残虐な制裁を加えていき……。
≪感想≫
「グッド・バッド・ウィアード」「ラストスタンド」のキム・ジウン監督作品。
上記2作は僕的にとっても楽しめて。
特にシュワちゃん主演の「ラストスタンド」は昨年ベスト級に楽しめました。
2作品ともアクションがカッコ良かったんですよね。
さてさて本作。
ん?んん??何だこれ!!後味悪すぎるぞ!!!
冒頭。
いきなり不穏な空気が流れる。
人気のない所に停まる1台の車。
運転手の女性が、急に襲われ殺されることに。
僕は、色々な作品のレビューでも書いているのですが、こういう強姦とか、力と恐怖で
人の心が壊されるのがとっても不快で不快で。
やるせない気持ちになってモヤモヤとね・・・。
本作は、その連続強姦魔が色々と事件を繰り返す訳です。
何人もの女性が標的にされるのを観ていると、途中で消したろかと思ったぐらい。
裏を返せば、それだけこっちの心を鷲掴みしているってことなんでしょうけどね。
とにかく、本作の犯人はタイトルにもあるように「悪魔」で「サイコ」な鬼畜野郎でしたよ。
そして本作の犯人ギョンチョルを演じた俳優がチェ・ミンシク。
これがまた、すっごい嫌な野郎を見事に演じられていたんですよね。
チェ・ミンシクと言えば「悪い奴ら」でめちゃくちゃクズながらも裏社会をのし上がっていく男を
好演されていました。
「オールド・ボーイ」でも記憶を失った男を演じていたし。
「LUCY/ルーシー」でも敵ボス役を演じていましたね。
もれなく味のある役どころでキャラ立ちもきっちりできている。
この人が演じれば作品の面白さが数段あがるんじゃないかな。
とにかくストーリー的に不快だった本作。
ただ、やっぱり演出だったりとか、最後までの持っていき方とかはそれなりに面白かったんです。
例えば、アクションシーン。
中盤、ギョンチョルがタクシーの中で、これまた悪党どもとナイフでの格闘シーン。
ブッサブッサと刺すアクションは観ていてハラハラドキドキ。
中盤の洋館みたいな所でのアクションもカッコ良かったし。
あの釣り針みたいな物を地面にばらまいて罠にするあたりも、◎。
とにかくアクションはカッコ良かったです。
あとアクションシーンって結局、悪党のギョンチョルが制裁されるシーンでもあるんですよね。
クズには制裁を!!なんて思っているこっちは、観ているだけで少し気が晴れるというか。
本作は、暴力描写が多々ありました。
これがまた、メチャクチャ痛々しい。
エグくて、グロくて、観ているこっちはグーーーッと力を入れながら鑑賞していました。
あとね、キャラクターがそれぞれ立っていましたね。
悪党のギョンチョルはもちろんの事、もう一人の主役である復讐者スヒョン。
演じたのはイ・ビョンホン。
顔がカッコいいという感じではないのですが、「グッド・バッド・ウィアード」でも
そうであったように、アクションがカッコ良かったです。
そして、我を見失いひたすら復讐に走る男。
彼もまた「悪魔」で「サイコ」な奴なんですよね。
他にも、本作に出てくる悪党どもはもれなく嫌なヤツで、いききった悪党描写が
とても良かったですよ。
ストーリーについて。
本作は、怒りにまかせた行動が負の連鎖を生んでいく。
最後の最後はとても後味の悪い方向へと進んでいくんです。
二転三転、目も離せない展開にモヤッとしながらも、のめり込んだりしていたら。
物語の着地が
「んん!?これじゃあさぁ・・・。」
正直、本作のテーマはとても興味があったんです。
最愛の人を殺された男の復讐譚。
どうすれば、その怒りは静まり、どうすれば報われ、前を向くことができるのか・・・。
きっと犯人を痛めつけても、なんなら殺しても、最愛の人は戻ってこない。
いったいどうすればいいのかって・・・。
その答えを本作ではどう提示するのか、凄い楽しみだったんです。
・・・が!!
ネタバレしますが、結局最後はギョンチョルを殺して終わりなんですよね。
んんーーー、なんでしょう。
もっと痛めつける訳でもない。
精神的に苦痛を味わわせるでもない。
どうもスッキリしない着地だったんですよね・・・。
これなら、最初に殺してしまえばいいじゃないかって。
この終わり方のせいで、一気に後味の悪い方向に・・・。
とにかく、残念無念でしたよ。
とにもかくにも。
作品としてはとても優れている作品かと。
ただ、物語の着地と、物語の倫理観の部分では、どうしても僕には合いませんでした。
むむむ・・・なんだかなぁ・・・。
そうそう。
本作、アメリカでリメイクされるらしくって。
監督は「サプライズ」「ザ・ゲスト」のアダム・ウィンガードの方向とのこと。
ちょっと楽しみだけど、ストーリー的にはもう観たくないんだよなぁ・・・。
≪点数≫
2点
(15.08.22鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト