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No.1109 『ばしゃ馬さんとビッグマウス』
No1109 『ばしゃ馬さんとビッグマウス』

2013年制作 邦
監督:吉田 恵輔

≪キャッチコピー≫
『どうかこの人生が・・・シナリオ通りになりますように』

≪ストーリー≫
次々と脚本コンクールに応募するものの、一次審査すらも通らない34歳の馬淵みち代(麻生久美子)。そんな彼女と同じシナリオスクールに通う26歳の天童義美(安田章大)は、自分の作品をほとんど書いたことがない割には、常軌を逸した毒舌で他人のシナリオを酷評する。そんな彼らが出会ってしまい、何と天童がみち代にほれてしまう。嫌味な自信過剰男だと自分を嫌うみち代に認めてもらおうと、ついにシナリオを書くことを決意する天童。意外な彼の真摯(しんし)な姿に、みち代も心を開き始めるが……。

≪感想≫
いたたたた・・・。
とてつもなく痛い作品でした。

脚本家になる夢を諦めきれず馬車馬のようにひた走る馬淵。
同じく脚本家になりたいんだけどいつも、口だけビッグマウスの天童。
彼、彼女が夢と向き合っていくお話。

本作は夢に向かっていくお話。
そしてその抱いた夢をあきらめるお話。

ちなみに僕は本作の彼ら彼女らのように大きな夢を抱いたこともなく、
ここまで本気になって過ごしていた記憶もなく。
もちろんそれなりに「こうなりたいなぁ」とか「こんな事してみたいなぁ」とかはあったんですけど、
大きな挫折をする前にフェードアウトしたりだとか、別の方向へスライドしてきた訳で。
小さな挫折と成長を繰り返してきた感じでしょうか。

本作の主役である馬淵。
ひたすら脚本家になるためにひたすらストイックに突き進む。
様々なコンクールに応募するも1次審査にすら通らない。
自らの才能の無さに気付きながらも夢を諦めきれずにもがいている。
・・・これがまたとても痛い。
応援したくなる半面、諦めなさいと言いたくなる。
彼女は言う。
「夢をかなえるのは難しいのは知っていたけど、夢を諦めるのがこんなにも難しいなんて」
的な発言にはそんな大きな挫折を経験したことのない僕の心にも突き刺さりましたよ。

夢を諦める。
確かに
「夢はあきらめなければ、叶う可能性が消えることは無い」
的な、少し綺麗ごとのように聞こえる思考も必要だと思う。
ただ、僕的には自分の事を見つめ直し、将来の事も深く想像して、
「諦める=明らかに見極める」
事も間違いじゃないって思ったりもするんですよね。
本作は二人の主人公を使い、どちらのパターンも見事に
描き切っていたんじゃないかと思います。
馬淵はひたすら夢を見ながら諦める事にした人間を。
天童は夢と出会い、挫折をしてもそれでもやっぱり自分の夢と
向き合い続ける事に決めた人間を。

本作の事柄や会話や登場人物ってこう見ていてもやっとしたんです。
上手く歯車がハマっていないというか。
悪い人はあまり出てこないんですけど、上手く繋がってくれないというか。
歯痒くて、それこそ人生ってこんなもんだよって言われているような。
少し不快にも感じるんだけど、この作品の言いたい事には絶妙にマッチしている。
上手いなあ。

夢を諦めるな的なお話はたくさん観てきましたが、この手の作品はなかなかない。
ある意味誠実な作品でした。
本作の脚本家の人はどんなお方なんだろう。
夢を諦める脚本家のお話を書く脚本家って、どういう事を思いながら本作を書き上げたのかな。
興味があるなぁ・・・。

余談。
序盤で馬淵が脚本を持っていく映画監督さん。
なんかコイツ腹立つ顔と声をしているなと思ったら、以前観た傑作「百円の恋」の、
にっくきあの野郎ではないですか!!
どうりで嫌な感じだなと思ったんですよ!!
ちょっと他の作品での印象に繋がるほどのトラウマになっております(苦笑)


≪点数≫
  6点
                                           (15.06.28鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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