2015-08-27 Thu

2013年制作 邦
監督:吉田 恵輔
≪キャッチコピー≫
『ひとつだけ伝えたい。「大キライだったけど、お母さん、ありがとう。」』
≪ストーリー≫
声優を目指して奮闘中の麦子(堀北真希)が、兄・憲男(松田龍平)と暮らすところに、かつて二人を捨てた母・彩子(余貴美子)が戻ってくるが、間もなく病のために、帰らぬ人となる。麦子は、納骨のため母がかつて青春を謳歌(おうか)した田舎を訪れると、町の人気者だった彩子に似ている麦子の登場に町の人々は活気づく。そんな彼らと交流するうちに、麦子は自分の知らない母の一面を垣間見ることになり……。
≪感想≫
いやはやとても清らかな良作に出会いました。
突然、兄妹の元に現れる母親。
母に捨てられた二人の子どもはやはり受け入れる事なんてできない訳で。
それでも何だかんだで一緒に住むことに。
そして突然訪れる母親の死。
母親の事を何も知らない娘(麦子)は納骨のために母の生まれ故郷へ・・・。
僕は子供がいる訳でもないし、両親とも、まぁそれなりに良い関係を築いて生きてきていて。
なので、どうしても親が子を見捨てるという行為に納得がいかなかったりするんですよね。
普遍の形の崩壊と言うか。
ただ、やはりその人たちにはその人たちの暮らしがあって、人生があって、問題があって・・・。
この物語の母親である彩子の行動にはイマイチ納得がいかなかったりもするんですが。
ただそれでも麦子が「許し」ていくまでの過程がとても良かったんですよね。
亡くなった母親の生まれ故郷で、母親と同郷の人達との関わりから生まれてくる
今まで覚える事の無かった母親への想い。
親子の形をそこで作りあげていくんです。
これまで親子の形が何たるかを分からなかった麦子。
例えば母親と同じ現状を持ったミチルさんとの関わりから。
旅館のバカ息子との関わりから。
「あぁ、親子ってこんな感じなんだな。」
って。
「私も母親の事求めていたんだな。」
って。
エンディングまでのこの心の移ろい、成長がとてもジンときました。
エンディングも良かったなー。
バックで流れる松田聖子さんの「赤いスイートピー」は抜群の破壊力。
観終わってすぐYoutubeで探しましたもん。
そして、あのシーンはだいぶ前に観た邦画「幸福な食卓」のエンディングを思い出しましたよ。
あの作品もクライマックスのMr.Childrenの「くるみ - for the Film - 幸福な食卓」が
流れるシーンは最高だったなぁ・・・。
キャラクターも良かったです。
麦子は「もらとりあむタマ子」のタマ子ほどのニートではないですが、何となくやる事なす事中途半端で、
発展途上の女の子。
それを演じる堀北真希さんがこれまた抜群の破壊力でした。
彩子の昔時代も演じていて、とっても綺麗で可愛らしかったです。
こりゃ、街のアイドルにもなるわな。
兄貴役の松田龍平さんも良かったな。
ほんの少しろくでなしなんだけど、何だかんだで人情深いというか。
人として捨てちゃいけない部分はちゃんと持ち合わせているというか。
お母さんの彩子もそう。
最後の最後は子供の所へ来るところは身勝手だと思いつつも、
「そうういう事なんだよなぁ」
って。
母親の故郷のタクシー運転手のまなぶさん。
ラストに良い事言うんだよね。
彼と母親の友人のミチルさんがいたからこそ麦子は成長できたんですよね。
この根っからの悪人が出てこない所が◎でした。
総括。
スタンダードな良作。
ふと思い出すとクスリと笑える部分もあったしね。
麦子の声優のモノマネをするくだりとか。
あと、よく分かんないんだけど、ファミレスで謎のハンバーグプレートを
2つむさぼり食っている人が見きれていたり。
あれは何だったんだ??(笑)
とにもかくにもジンとくる良い作品でした。
老若男女へおススメです!!
今年は邦画にアタリが多いなぁ(歓喜)
≪点数≫
7点
(15.06.23鑑賞)

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