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No.1070 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
No1070 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』

2013年制作 米
監督:ジョエル・コーエン, イーサン・コーエン

≪キャッチコピー≫
『1961年、NY、グリニッジ・ヴィレッジ ボブ・ディランが憧れた伝説のシンガーたちがいた。』

≪ストーリー≫
1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……。

≪感想≫
トゥルー・グリット」「ノーカントリー」「バーバー」等々のコーエン兄弟最新作。

やっぱり見応えたっぷりコーエン兄弟。

演出について。
まず巧いのが、本作ってほんの数日のお話を描いているんですよね。
なんか観ていると長い期間を追ったお話に見えたんです。
作中で主人公が「長い旅をしていたようだ」的な語りには思わず唸りましたよ。

夢をあきらめるとかあきらめないとか、そこらへんの普遍のテーマを淡々と。
よく考えると重々しいんだけどフラットに。
ほんの少しの可笑しみを加えて。

僕のイメージですが、コーエン兄弟の作風って、ほんの少し現実とズラした
世界観を描くのが上手な印象。
夢か虚ろかぼんやりとした感覚。
確かに実在するんだけど少しもやっとしたシーンも差し込みながら。
本作でもそういうシーンや演出が多々ありました。
例えばシカゴまでの道のりでの警察とのやりとり。
例えばシカゴからの帰り道での猫を轢いちゃうくだり。
少しもやっと進んでいくんですよね。
ほんのちょっと同監督の「オー・ブラザー!」を思い出しました。
そういえば、あの作品もロードムービーで音楽も少しテーマになっていましたね。

そこら辺の描き方がとっても興味深くって、いつも見入ってしまいます。
作りや世界観はお気に入りな本作。

ただねぇ・・・。
主役のオーウェンの人間性に共感できなかったんです。
夢を捨てられないのは分かるんです。
プライドも捨てきれないのも分かるんです。
その葛藤を絶えず抱えてもやもやと過ごすのも分かるんです。
誰だってそうだし、僕だってそうだし。
やっぱり、ただねぇ・・・。
結局、周りの人に迷惑をかけているのを見ないふりしていたのが、なんだか頂けなくて。
知らなかったとはいえ昔の彼女が中絶をせず子どもを産んでいたという現実。
知らなかったとはいえガールフレンドが彼のステージ出演の為に店の人に
抱かれてしまっていたという現実。
それらの現実を知った時、とても腹立たしく感じたんです。
「そんな夢捨てちまえ!!」
って。
それまで同情的だった感情も大逆転。
一気に腹立たしさに変ってしまいましたよ。
夢を捨てないのは構わない。
夢を追い続けるのも構わない。
ただ、周りの人への影響もきちんと背負って生きなきゃなぁと。

終わり方はほんの少しだけ光を感じる終わり方。
きっと、オーウェンは夢とお別れしたんじゃないでしょうか。
綺麗じゃないけど清々しく。

点数は低めですが、色々と思いが生まれる作品。
コーエン兄弟。
次回作が楽しみな監督さん達です。


≪点数≫
  6点
                                           (15.03.07鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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