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No.1064 『罪の手ざわり』
No1064 『罪の手ざわり』

2013年制作 中/邦
監督:ジャ・ジャンクー

≪キャッチコピー≫
『この世の定めか、
     あゝ無情――。』

≪ストーリー≫
山西省の村で共同所有していた炭鉱で、利益を吸い上げられてきた炭鉱作業員(チアン・ウー)。重慶の妻子に出稼ぎとうそをつき、仕送りを送る強盗(ワン・バオチャン)。かなわぬ恋を続けて年を重ねきた湖北省の女(チャオ・タオ)。職を転々とし、ナイトクラブのホステスとの恋に思い悩む男(ルオ・ランシャン)。虐げられてきた彼らはついに事件を起こしてしまう。

≪感想≫
中国の片田舎で起こる4つの暴力。
それぞれが抱える心の闇。

4つの物語。
とある男は自らの正義から。
とある男は自らのプライド、家族のために。
とある女は抑圧された自らの地位のために。
とある少年は初めての社会での無力感から。
それぞれのフラストレーションは静かに溜まっていく。
そして静かにそれは爆ぜる。

良かった所。

本作は田舎を中心とした物語。
中国の壮大な景色を主体とした画。
映っている物は哀しく物憂げな物語なんだけど、とても魅力的な景色。
一度は行ってみたいもんだなんて思わせてくれる。

そしてそこに映る人間たち。
ドキュメンタリーを取っているかのごとく自然体。
確かにそこで起こっているかのような実在感と物語。
例えば1つ目のお話。
ショットガンでバンバン殺人を犯していくんだけど、ドラマチックではなく
粛々とその事件は続いていく。
もちろん暴力は反対だし、そこで起こっていることはダメな事なんだけど、
そこまでの過程をしっかりと飲み込んでいるせいか、納得させられてしまう。
他のお話もそう。
3つ目の女性のお話。
不倫をしていて上手くいっていない彼女。
最後に男たちに罵られついにはキレてしまう様には、これまたダメだと思いつつも
同情している自分がいて。
ラストの少年もそうですね。
社会に出て、自分の無力感や見てはいけないもの、もがいても、あがいても、
どうにもならない事があるんだって見極める時。
彼はついに行動を起こす。
それは刹那的で瞬間的。

観ているこちらは息をのむ。

鑑賞後。
色々と考えてみる。
久しぶりにこんなにも余韻が残る作品を観た。

田舎だからか。
それとも中国と言う国がそうさせるのか。
どの時代にも、どの国にも、そういう現状は潜んでいる。
人間の業、性みたいなものを芸術的に詩的に映し出した良作でした。

※レビューを書いて一ヵ月後。
 まだ余韻が残っている。
 やっぱり凄い作品かも。

≪点数≫
  8点
                                           (15.02.15鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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