2015-03-23 Mon

2013年制作 邦
監督:藤井 道人
≪キャッチコピー≫
『助けてくれ、オヤジ!』
≪ストーリー≫
大学教師の悟(佐野史郎)、ギャンブラーの鷹(河原雅彦)、体育教師である勲(宮川大輔)、元ホストの葵(村上淳)と父親を自称する男4人と同居する高校生の由紀夫(岡田将生)。何かと干渉してくる父親たちをわずらわしいと感じてしまう中、彼は何者かに監禁されてしまう。悟、鷹、勲、葵は、一致団結して由紀夫を救出しようとするが……。
≪感想≫
大好き伊坂幸太郎原作の小説を映画化。
伊坂作品は映画化がされやすいのかな。
これまで「陽気なギャングが地球を回す」「ラッシュライフ」「ゴールデンスランバー」等々・・・。
かなりの作品が映画化されてきました。
本作でなんと10作品目!!
すっごいですねぇ・・・。
もちろん原作大好きな私は全作品観ましたよ。
お気に入りは「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」辺りかな。
さて本作。
むむむ・・・何だか重いなぁ・・・。
伊坂作品が持つイメージは軽やかさ。
軽快なリズムとトークと展開でグイグイと引き寄せられる印象。
例に挙げると「重力ピエロ」と言う作品。
すっごい重いお話なんだけど、軽快に語りかける。
それこそ作品の中で
「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ 。」
的な言葉があったくらい。
残念ながら映画版はそれが活かしきれていませんでしたが・・・。
とにかく、本作もその軽やかさを伝えきれていなかったような。
ただ本作は先に書いた「重力ピエロ」のようなトーンの軽重ではなく、テンポの軽重に違和感が。
お話自体、空気感自体には軽やかさはあったんです。
設定も一妻多夫という面白い世界観と、ギャグと軽いトークでワクワクさせてくれてはいたんです。
うーーーん・・・。
語り口のテンポが悪いからか、ちょっと観ていて違和感がドンドン出てきたんですよね。
悪い意味でツッコむ余韻を与えてくれているというか。
おそらく一番のクライマックスのシーン。
由紀夫が電線を伝ってマンションから逃げる所。
本来ならあそこでカタルシス爆発!!
なんでしょうけど、スローモーションで撮っているせいかスピード感が足りなくって
思わず失笑。
なんだかなぁ・・・。
あとね。
伊坂作品の特徴としてたくさんの伏線が一気に回収されていく気持ち良さがあるんですが、
映画版の本作では全く活きず。
一つ一つの伏線がとてもわざとらしく、あからさま過ぎて、
「あっ、きっとこの後にこの伏線が回収されるんだろうなぁ」
って面白み半減。
手旗信号のくだりとか、誘拐後の携帯電話の会話のやりとり、マンションの
住民(男性に振られた女性)とのくだり等々。
とにかくわざとらしくてイマイチ感がありました。
キャラクターについて。
主人公の由紀夫は4人の父親に育てられた変わった少年。
「ん・・・?以前どこかで観たような・・・。」
と思ったら先日観た韓国映画「ファイ 悪魔に育てられた少年」でした。
あれは犯罪集団に育てられた少年でしたが、本作はまっとうな大人、
愛の溢れる大人に育てられてきた少年。
たくさんの愛情を受けた子供はどんな環境でもしっかりと育つと言ったところでしょうか。
由紀夫は違った親父の良い所をしっかりと引き継いだ正義感の強い少年に育っていましたよ。
そして4人の父親もしっかりとキャラクター立ちができていて◎。
それぞれに良い所があって良かったんですよね。
由紀夫を含めた5人はとても素敵で良い感じでした。
ただねぇ・・・。
サブキャラがこれ以上ないくらいどうでもいいというか、邪魔くさかったんですよね。
自称由紀夫の彼女である多美子。
この娘が全然魅力的でなかったんです。
快活な娘に描きたかったんでしょうが、ただガチャガチャしているだけの、
ある意味トラブルメーカー。
しかもその行動に、本人の意思が感じられず、ただの物語を進行させるためだけの
行動に見えてピンとこなかったんですよね。
由紀夫の友達のマスジ君もそう。
こいつもすっごい嫌なヤツで。
自分がやった事にも平気な顔してヘラヘラしてる。
こんな性格の奴が、由紀夫や父親たちと仲良くやっているのが分かんない。
幼馴染で、小さいころから一緒に遊んでいるのに、こんな奴に成長するわきゃないだろうと
思えるくらいのバカなヤツ。
この二人の存在がこの作品を台無しにしたと言っても過言ではないのでは。
残念無念。
とにもかくにも。
小説自体はとっても好きなだけに、このテンポや演出はとても違和感がありましたよ。
親子の関係性とか、所々暖かいやり取りもあっただけに残念。
母親の顔も出演させなかったのは良かったですね。
母親を出してしまうと、軸がぶれますもん。
さてさて。
どんどん映画化される伊坂作品。
次は何が映画化されるかな。
何だかんだで楽しみですな。
≪点数≫
3点
(15.02.14鑑賞)
こちら原作。
もちろん大好き!!

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原作読みましたが、よかっただけに3点となってしまった映画は…見ない方が良さそうだねぇ…(笑)
本の中の登場人物は、みんなキラキラしてて魅力的だったのにねー。うー、残念!
本の中の登場人物は、みんなキラキラしてて魅力的だったのにねー。うー、残念!
2015-03-26 木 17:39:14 |
URL |
mh-goi
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いつもコメントありがとう
そうなんです。
原作が良かっただけになぁ・・・。
お話はまぁ置いといて、撮り方がなぁって感じかな。
mh-goiさんも原作読んだんなら、ぜひ鑑賞して感想聞かせてくれ!!
やっぱり本と映像は違うのかなって思ったり。
今、伊坂作品を1から読み直そうかと検討中・・・。
映画化された作品は、また違った印象を受けるのかもね。

そうなんです。
原作が良かっただけになぁ・・・。
お話はまぁ置いといて、撮り方がなぁって感じかな。
mh-goiさんも原作読んだんなら、ぜひ鑑賞して感想聞かせてくれ!!
やっぱり本と映像は違うのかなって思ったり。
今、伊坂作品を1から読み直そうかと検討中・・・。
映画化された作品は、また違った印象を受けるのかもね。
2015-03-29 日 18:23:32 |
URL |
ゆず豆
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