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No.1018 『ウィンターズ・ボーン』
No1018 『ウィンターズ・ボーン』

2010年制作 米
監督:デブラ・グラニック

≪キャッチコピー≫
『家族のために 未来のために
    彼女は大人になるしかなかった――』

≪ストーリー≫
ミズーリ州に住む17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母に代わって幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。そんなある日、ドラッグの売人をしていた父親が逮捕され、自宅と土地を保釈金の担保にしたまま失踪(しっそう)してしまう。家を立ち退くまで残された期間は1週間、リーは家族を守るべく父親捜しの旅に出るが……。

≪感想≫
何とも重々しい作品。

場所はアメリカのミズーリ州。
見るからに閉鎖的で都市とは程遠い田舎な地域。
その中で暮らす一家。
父親は行方不明で母親は心を病んでいて殆ど動けない。
17歳のリーは幼い弟と妹の面倒をみている。
冒頭の数分でこの状況が観ている者へ伝わる。
そして徐々に彼女たちに降りかかる無理難題。
リーは、行方不明になった父親を探すことになるのだが・・・。

うーーーん、重い!!
非常に重たい作品でした。
田舎ならではの結束。
それは良くも悪くもみなをがんじがらめにしてしまう。
一族としての掟に背いたものは罰せられる。
この「繋がり」がとても綺麗なものじゃなく、なんだか禍々しいものに見えて・・・。
その中に嫌でも生きていかなければいかない子供たち。
そのシステムを知る前の子どもたちには分からない窮屈さ。
その窮屈さ、困難さをリーは徐々に知ることになります。
それでも逞しく突き進むリー。

本作の魅力は何と言ってもこのリーの逞しさと健気さ。
リーはどんな苦境に立たされてもあきらめない。
この状況を何とか打破しようと立ち向かう。
そこに怯えや戸惑いは見られず、絶えず緊張をしていながらもピンと張りつめた
意志で行動しているように見えた。
それこそ、ゴールだけ見ていて、そこに向かう事だけを考えているような。
17歳の少女のこの行動がなんとも健気で、応援したくなる、救いたくなるんですよね。
リーを観ていると誰かとかぶるなと思っていたら、以前観た「トゥルー・グリッド」の
父親の復讐のために旅を続けるマティだ。
あの作品の主役も凛としたたたずまいで応援したくなる少女でしたね。
とにかくリーのすべてに立ち向かう姿勢にグッときました。

リーを演じたジェニファー・ロレンス。
やっぱりこの女優さんは素晴らしいです。
以前、「アメリカン・ハッスル」という作品で絶賛しましたが、本作もとても好演されていて。
ジェニファー・ローレンスのために本作があると言っても過言ではないハマりっぷり。
この何とも言えない我慢顔が似合うんですよね。
調べてみると、本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたみたい。
凄いなぁ・・・。
今後も追い続けたい女優さんの一人です。

ラストは少し希望の光が射しこむ終わり方。
確かに、そこまで現状は良くなっていないのかもしれない。
確かに、取り急ぎ今の危機を乗り切っただけなのかもしれない。
ただ、彼女たちならこれからの生活を何とか逞しく乗り切っていけるのではないか。
乗り切って欲しいと強く願うばかり。
重々しくもとても良い作品でした。


≪点数≫
  8点
                                           (14.10.19鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(1) | コメント(4)
コメント
おじゃまします
この映画、映画館で観てかなり苦しくなってしまい、怒りと悲しみの感想しかなかったのですが、TV放送で再鑑賞した時に、違った感動を覚えました。どんな環境でも生き抜いていける子供がいる。悲しみの連鎖を止められる子供がいる、ということ。
ジェニファー・ローレンスは、この映画の前(たしか)に主演した、「早熟のアイオワ」も素晴らしかったです。クロエちゃんもめちゃめちゃ可愛かったし。
2014-12-02 火 13:22:19 | URL | NEWびー [編集]
Re: NEWびーさん
初めまして!!
コメントありがとうございますv-290

確かに痛々しくて、不条理で腹が立つ事も多々ありました。
ただ、やっぱりこのリーの逞しさと言うか、この環境だからこそと言ったら、ダメなのかもしれませんが
ここで生まれ備わった強さみたいなものに、ちょっとグッときたんですよね。

>悲しみの連鎖を止められる子供がいる、ということ。

まさに!!
彼女たちの未来はそんなに悪くならないのかなと強く思いました。

> ジェニファー・ローレンスは、この映画の前(たしか)に主演した、「早熟のアイオワ」も素晴らしかったです。クロエちゃんもめちゃめちゃ可愛かったし。

「早熟のアイオワ」は未見ですが、気になってはいました。
クロエ・グレース・モレッツも出演されているのでチェックはしていました。
いずれ観てみますね!!
2014-12-02 火 21:37:57 | URL | ゆず豆 [編集]
ゆず豆さん、こんにちは!
この映画の雰囲気は暗くて重かったですね。
でもそれをしっかり受け止め負けない主人公の強さに
心を打たれました。
本当に健気で逞しい!
ジェニファーの毅然とした眼差しが良かったですね☆
この女優さんは、こういう立ち向かうようなキャラが
すごく似合いますね~
「ハンガーゲーム」「世界にひとつのプレイブック」でも
そんな表情をしていました。
2014-12-06 土 18:34:30 | URL | YAN [編集]
Re: YANさん
いつもコメントありがとうございますv-290

> 本当に健気で逞しい!

そう!!
あの愚直と言うか、良い意味でその行動こそが全てと思っている、
意志がとっても逞しくって。
報われてくれと願ってしまうんですよね。
本当に凄い女性でした。

> 「ハンガーゲーム」「世界にひとつのプレイブック」でも
> そんな表情をしていました。

実は、どちらも未見なんです。
「世界に~」は恋愛ものなのかなと思って手に取っていませんでしたが、
ずっと気になっているんですよね。
「ハンガーゲーム」はシリーズ物なので、全作出てからにしようかなと。
現在、全米で3作目が上映されていて記録的大ヒットをしているそうですよー。
2014-12-07 日 19:59:18 | URL | ゆず豆 [編集]
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ウィンターズ・ボーン
過酷な状況を背負わされた17歳の少女リー。 家族を守るため、ここで生きるため、何があってもくじけない。 圧倒的な姿が胸を打つ。 2010年サンダンス映画祭グランプリ受賞。 WINTER’S BONE 監督:デブラ・グラニック 製作:2010年 アメリカ 出演:*ジェニファー・ローレス *ジョン・ホークス *ジェリル・リー 家族のために、未来のために  ...
2014-12-06 Sat 18:35:54 | RockingChairで映画鑑賞