2014-09-19 Fri

2013年制作 米
監督:アレクサンダー・ペイン
≪キャッチコピー≫
『回り道がもたらした人生最高の当たりくじ』
≪ストーリー≫
100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ(ブルース・ダーン)。それはどう見てもインチキだったが、徒歩でもモンタナからネブラスカまで金を受け取ろうとするウディに息子のデイビッド(ウィル・フォーテ)が付き添うことに。こうして始まった父と息子の4州をまたぐ車での旅。途中、立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることになる。
≪感想≫
全編モノクロのロードムービー。
出演者、登場人物のキャラクターが秀逸。
宝くじ当選を疑わずネブラスカまで行こうとする父親ウディ(ブルース・ダーン)。
とても無口で純朴な彼は周りの静止も効かずにひたすらネブラスカを目指す。
彼の人の好さに付け込んで、昔の仲間たちは、金をむしり取ろうとする。
宝くじが詐欺のダイレクトメールを知った昔の仲間たちは彼を嘲笑。
嫌ですねぇ・・・。
クライマックス。
息子の最高の親孝行が実った時。
ウディの顔は今までの暗い顔ではなく、とても晴れ渡った顔に。
モノクロの映像なのに、その表情、温かみを感じ取れる撮り方、演出がとても素晴らしい!!
ウディの妻ケイト(ジューン・スキッブ)。
彼女は無口な旦那とはうって変わって毒舌のマシンガントーク。
愛くるしい見てくれとは反対に、どぎつい下ネタや罵声。
ただ、その中にも見え隠れする家族への愛情。
はた迷惑だけど、心の底から邪険にできない存在。
とても素敵な奥さんでしたね。
演じたジェーン・スキッブさんは本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたんですって。
へぇへぇへぇ・・・納得のキャラクター、演技でした。
口うるさい彼女が旦那のために周りに啖呵を切るシーン。
観ていてスカーーーっとね。
ウディの息子たちも良かったですね。
何だかんだで親父の事はしっかりと「父親」として見ている。
ラストのウディのためにトラックとコンプレッサーを購入してあげるシーンも良かったのですが、
僕的には、息子2人で他人の倉庫から父親のためにコンプレッサーを取り返すシーンが
最高でしたね。
こちらも観ていてスカーーーっとね。
その他、出演される老人たちも味があって、とっても良かったです。
モノクロ演出、田舎町演出と相まってとても、閉鎖的な感じやのんびりな感じ、良い所も
悪い所も、クセのあるところもちょっと心地よく感じたり。
出てくる人たちは嫌な奴も多かったけど、制裁も受けてくれたので不快には感じませんでした。
演出について。
本作は全編モノクロ。
これが凄く巧く活きていたんじゃないでしょうか。
田舎町に流れる景色。
出てくる老人たち。
音楽も味かあってとても良かったです。
景色もラストのリンカーンのビル群をモノクロで観た時、今までの田舎町の景色から一転、
その映像が、観ている物に一気にグッと近づいたシーンでした。
とても穏やか、ほのぼのながらもジンとさせてくれた良作。
たまに観直しても良いと思える作品でした。
≪点数≫
8点
(14.08.13鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト