fc2ブログ
 
■プロフィール

ゆず豆

Author:ゆず豆
映画のレビューをつらつらと・・・。

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ

■カテゴリ
■カウンター

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

No.2168 『怪物』
No2168 『怪物』
2023年制作 邦
監督:是枝 裕和

≪キャッチコピー≫
『怪物だーれだ』

≪ストーリー≫
シングルマザーの早織は、息子の湊と大きな湖のある町に暮らしている。湊は同級生の依里と仲が良く、子供たちは自然の中で穏やかな日常を過ごしていたが、ある日学校で喧嘩が起きる。双方の言い分は食い違い、大人やメディアを巻きこむ騒動に発展していき……

≪感想≫
万引き家族」等々の是枝裕和監督最新作。
脚本は「花束みたいな恋をした」の坂元裕二さん。
音楽は坂本龍一さん。
キャストも豪華。
何気に楽しみにしていた作品。
いざ劇場にて鑑賞してまいりました。

さてさて。

物語は3幕構成。
1幕は母親目線。2幕目は先生目線。そして最後は少年目線。
1幕よりも2幕、2幕よりも3幕。
ストーリーテリングは以前観た傑作「最後の決闘裁判」的な作り。
実はあの時はこうでした的な進み方。
徐々に明らかになっていく真実。
タイトルにある怪物の正体は・・・。

なんてことを書きましたが怪物の正体云々というよりかは、
もう少しセンシティブな人間の感情などを描いた作品に感じました。

世界はとても世知辛い。
人間ってとても世知辛い。
人生ってとても世知辛い。

こんなにもボタンの掛け違えがあるのか。
負の連鎖は続き苦く切ないクライマックスへと繋がっていく。

終わり方はとても美しい。
坂本龍一さんの音楽と相まって脊髄反射的に泣かされる。
彼らの未来がとても素晴らしいものであれと。

ただね・・・。
少しだけ気になった部分も。
例えば、本作で悪い人と描かれてしまう保利先生。
全ての真実が明らかになった時、彼の対応は決して悪いことはしていないんですよね。
濡れ衣的に物事が進んでいって、最後は週刊誌にまで追われてしまう。
彼に関しては「救い」が欲しかった。
例えば、校長先生のある事件について。
真実は明かされませんでしたが、彼女は孫の事故の加害者の可能性もあって。
それならしっかりと真実を明かさないと・・・。
まぁ、それを言ってしまうと本作のテーマからずれるのかもしれませんが。
学校の対応も最悪だったなぁ・・・。
いくら何でも、ちょっと極端な対応方法というか。

そんなこと思ったりもしたのですが、実はある視点から見てみると、彼ら彼女たちの
行動も何かの連鎖ゆえの行動だったりするのかも。
なんてことを思っているとさらにもやもやもやと・・・。
多面的に物事を見るのはとても大事だと思うんですが、物事の善悪についてや
社会の危ういバランス、そこに生きていく自分たちの立ち振る舞いについて
これまたもやっと考えさせられました。

共生とは見て聞いて話して受け入れる。
誰の中にも潜む怪物を表に出さないためにも対話は必要不可欠。

演者たちも豊かで恐ろしい。
校長先生を演じた田中裕子さんの怪演。
保利先生を演じた永山瑛太さんの怪演。
あの1幕と2幕で完全に見え方が変わってくる保利先生。
確実に永山瑛太さんの演技力があってこそ。
子役二人も良い「顔」してたなぁ・・・。

そんなこんなで。
恐ろしく緻密な脚本と演出。
一言では言い表せない感想。
思い返すと色々書きたくなる色々話したくなる。

決して楽しい作品ではなかったんですが、とても素晴らしい作品。
この想いが熱いうちにもう一回観たいですな。

≪点数≫
  9点
                                           (23.06.11鑑賞)
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
満足ならクリック!!

スポンサーサイト



映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)